はじめに
かねてから噂されていた「九州旅客鉄道(9142)」、通称JR九州が上場します。旧国鉄系のIPOは、「JR東日本」「JR西日本」「JR東海」に次ぐ4社目となり、JRの上場は20年ぶりの出来事です。
市場に吸収させる金額は3900億円にものぼり、7月に上場した「LINE」の1300億円を3倍も上回っています。抽選に参加したらほぼ間違いなく当たりを頂ける規模ですので、利益が見込めるのか実に気になるところです。
ちょうど1年前には、同じく国策の「郵政IPO」が大成功の上場を果たしていますので、その再来となるのか注目されています。個人的には、大成功とまではいかなくても、それなりに上手くいくんじゃないかと思っています。そのポイントは……ザ・フライ井村のLet'sカブトク!
「JR九州」のIPOサマリー
- 配当+株主優待の利回りが同業他社よりも高い!
- 一定の割安感あり!業績も安定的!
- 政府売り出しのIPOは勝率が高い!
- 仮条件の引き上げに注意!割安感が薄れる可能性も
銘柄名 | 抽選申込 | 資金 | 当たり数 | 狙い目 | 評価 | 九州旅客鉄道 | 10/7~10/14 | 24.5万~ | 超多い | 野村、三菱 | C |
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ポイント1:配当+株主優待利回りが同業よりも高水準
下の表は、JR九州の同業で、鉄道事業など運輸サービスを営む会社の予想配当利回りを高い順に並べたものです。
証券コード | 銘柄名 | 予想配当利回り(9/23現在) |
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9021 | JR西日本 | 2.2% |
9003 | 相鉄HD | 1.4% |
9020 | JR東日本 | 1.4% |
9031 | 西日本鉄道 | 1.4% |
9044 | 南海電鉄 | 1.2% |
9041 | 近鉄GHD | 1.2% | 9001 | 東武 | 1.2% |
調べた限りでは、JR西日本の年率2.2%が最も高いものでした。
一方、JR九州の2017年3月期の予想配当利回りは1.53%だそうです。これでもそこそこ高いんですが、上場時の目論見書に特筆すべき記述が!
※JR九州の目論見書よりつまり、今期の配当金は特殊要因で半分しか出せないが、来期以降は2倍出すということで、配当利回りは倍の3%程度と考えられます。同業よりも高い水準です。
さらに、すでに株主優待の導入を発表しています。
※JR九州の目論見書より株主優待券1枚で、乗車料金を一人5割引きという割引強めの優待券です。JR西の優待も1枚で50%引きになるもので、金券ショップやオークションなどの評価は高く、1枚4,500円程度で取引されています。
JR九州の優待は、まだ出回っていないので正確には分かりませんが、博多―鹿児島間は10000円を超えていることから、3000円以上の値段がついてもおかしくないと思います。となると、優待利回りは1.2~1.3%。ちなみにJR西の優待利回りは1%を切っています。
結局、配当+優待利回りは4%超えとなるので、インカム狙いで欲しい人はたくさんいるんじゃないでしょうか。株数が増えるごとにもらえる優待券が増えていく仕組みがあることも、売りを出にくくする一助になるのではと睨んでいます。