はじめに
ニュースでもよく耳にする「働き方改革」。これからは、ワークライフバランスが大切とはいうけれど、仕事とプライベートの両立は難しいものです。「恋人が出来ない」「結婚できない」のは、仕事が忙しいせいなのでしょうか。
総合人材サービスのランスタッドが全国1800名の働く男女に「残業とプライベートに関するアンケート調査」を実施し、その結果を発表しました。そこから見えてきた日本人の「仕事」と「婚活」事情とは?
働く男女の3割超が「未婚・パートナーなし」の現状
世間の恋愛事情を伺い知るのはなかなか難しいものですが、今回の調査では、興味深い結果が分かりました。
働く男女の約3人に1人は「未婚でパートナーがいない」と回答しており、女性に限るとその割合は43.8%。更に40代のいわゆる団塊ジュニアに属する女性は50.7%、実に半数超にのぼることが明らかになりました。
一方、男性の「未婚・パートナーなし」はわずか21.9%。女性の43.8%に比べ半分という結果に。婚活市場では、男女の関係がいびつな構造になっていることがよく分かります。
4割超の未婚者が「残業が婚活に影響している」
では、恋人がいないのは、仕事の影響が大きいのでしょうか。
普段から残業をしている未婚男女に「残業があることで、恋人を作る意欲や活動にどのような影響があるか」を聞いたところ、「恋人を作る意欲がわかない」が13.7%、「恋人を作る意欲はあるが活動ができない」が27,6%と、全体の4割超が「残業によって婚活・恋活に影響がある」と答えています。
図:ランスタッドのデータを元に編集部が作成 ※n=445
反対に「残業による影響は特にない」と答えた割合は、月の残業時間が10時間未満だと43.3%、10時間~20時間未満で40.3%であるのに対し、40時間以上になると31.0%と少なくなり、残業時間が増えるにつれ「影響がない」と答える割合が減っています。
このことから、残業時間が40時間以上になると、残業の影響が色濃く表れ、恋人を探す以前に恋愛の意欲すらわかないという悪循環が発生していることが分かります。
8割超がプライベートを優先させたい!
残業時間の長さが婚活を含めプライベートに影響を与えていることが良く分かりましたが、果たして皆、このままでいいと考えているのでしょうか?
残業をしている人の83.8%が希望としては「仕事よりもプライベートを優先したい」と回答しています。多くの人がプライベートを充実させた生活をしたいと考えているようです。
図:ランスタッドのデータを元に編集部が作成 ※n=1800
しかし、実際には51.6%が「プライベートより仕事を優先している」と答え、「プライベートを優先している」と答えた48.4%を若干上回る結果となっています。働く男女の8割が「プライベートを優先させたい」のに、実際には半数超が「仕事を優先させている」と読み解くことができます。
図:ランスタッドのデータを元に編集部が作成 ※n=1507
一方、「プライベートより仕事を優先したい」と答えた割合は全体の16.3%と少数でした。しかし、全体でみると少数である仕事優先派も、残業時間が多くなるについて増加していることが分かりました。人は、残業が多くなると必然的に「プライベートより仕事!」という考えにシフトしてしまうようです。