投資先進国アメリカでは一般的な投資ツールとして普及している「ロボアドバイザー」が、日本でも本格的にサービスが始まりました。中でもお金のデザインが提供する「THEO(テオ)」は、小額からきめ細かい国際分散投資ができるサービスとして注目を集めています。

THEOのアルゴリズムを開発したマルコム・シュライバー氏に、THEOアルゴリズム開発の秘密とロボアドバイザーの未来についてうかがいました。


ロボアドバイザーと「THEO」のアルゴリズム

ーー最近になって、国内で複数のロボアドバイザー投資サービスが登場し、注目を集めていますが、具体的にどういうサービスなのでしょうか。

シュライバー: 資産運用の基本は国際分散投資ですが、具体的にどういった資産をどういう配分で保有するのがベストなのかは、一人ひとりの投資家によって異なります。一方で、個人に最適化するほどポートフォリオは複雑になるので、自分で運用するのは難しかったり、面倒な作業になるものです。

そこで、その人に合ったポートフォリオを提案し、実際に運用までしてくれるサービスがあれば便利です。こうした投資を一任するサービスはこれまでまとまった運用金額と高いコストを払える富裕層だけが受けられるものでしたが、主要なプロセスをアルゴリズムによって自動化することで、一般の人々にも裾野を広げたのがロボアドバイザー投資です。ロボアドバイザー投資のサービスを利用することで、小額かつ高度な国際分散投資が可能になりました。

ーー自動化することで「おまかせ投資」のハードルが下がったのですね。「THEO(テオ)」のアルゴリズムはどのようなしくみになっているのでしょうか。

ロボアドバイザーのしくみはサービスによって異なりますが、弊社が提供する「THEO(テオ)」は3つのアルゴリズムで構成されています。

まずは投資家にウェブサイト上で最大9つの質問に答えてもらうことで、その人の資産運用に対するリスク許容度や運用期間、運用の目的などを判断する「プロファイリング」。そして、プロファイリングに基づいて、その人に最適な資産配分(ポートフォリオ)を診断する「資産運用」。

そして、そのポートフォリオに基づいて実際に売買を行う「トレーディング」です。この3つの機能は、すべて綿密なアルゴリズムで自動化され、日々厳重な管理の下で運用されています。

ーー3つのアルゴリズムについてもう少し詳しく教えていただけますか。プロファイリングとはどのように行われるのでしょうか。

一般的なロボアドバイザー投資サービスでは、投資家がどれだけのリスクに耐えうるかという「リスク許容度」を診断してポートフォリオを組むところが多いのですが、THEOではより詳細なプロファイリングを行っています。最適なポートフォリオを組むために最も重要な情報はリスク許容度であることは間違いありませんが、それだけでは十分とはいえないからです。

THEOでは、投資家が予定している投資期間や運用の目的といった情報を引き出し、リスク許容度にとどまらない複数のパラメーターを使って、投資家ごとに最適な資産配分を診断しています。

次に、THEOのポートフォリオは、一般の人が必要とする典型的な3つの資産運用ニーズに応える機能別ポートフォリオを用意しています。長期的に資産の成長を目指す「グロース」、リスクを抑えて配当収入を得るための「インカム」、そしてインフレによる保有資産の価値の目減りを防ぐための「インフレヘッジ」です。投資家一人ひとりのポートフォリオは、これら3つの機能別ポートフォリオを組み合わせてつくるのが基本で、プロファイリングを元にその組み合わせ比率を変えています。

一般的には若い人ならグロース、退職者ならインカムあるいはインフレヘッジということになるでしょうが、実際には投資家の目的は一つに絞られているわけではありません。目的の異なる3つのポートフォリオを割合を変えて組み合わせることで、年齢や投資期間だけでなくその人のリスク許容度や目的によりフィットした資産配分を提案できるようにしています。