はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

夫婦と子ども1人の3人家族です。それほど贅沢はしていないのですが、思うように貯蓄ができません。今はまだ子どもが1人ですが、あと2人は欲しいと思っています。そのために家計を見直したいです。また、教育環境の良い地域に家を購入しようかどうか迷っています。家賃を払い続けるのはもったいないと言われますし、資産にもなると思うので、住宅購入を検討しているのですが、どうでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・男性、38歳、既婚(妻:37歳・専業主婦)、子ども1人(3歳)
・職業:会社員
・手取り月収:35万円
・手取り年間ボーナス:60万円×2回
・預貯金:約400万円
・確定拠出年金:約300万円


【家計の内訳(40万円)】
・住宅費:9万円(賃貸)
・水道光熱費:1.5万円
・生命保険:2.5万円(夫の死亡保険と医療保険、学資保険)
・食費:11万円くらい(外食費を含む。約8万円を妻に渡す)
・日用品:2.5万円
・通信費:1万円
・健康・医療費:1万円(ジム代含む)
・趣味・娯楽費:3万円(週末のお出かけなど)
・衣服・美容費:2万円
・交際費:1万円
・お小遣い(夫):3万円
・その他不明金:2.5万円
・旅行や帰省、家具家電などの購入でボーナスの半分くらいを使用。 


FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkのファイナンシャルプランナーの秋山です。お子さんが生まれ、あと2人欲しいと考えているのですね。では、今まずすべきことは、家計の黒字化です。

貯蓄を増やすには「収入を増やす」か「支出を絞る」

現状は、毎月35万円の収入に対し、月の支出は約40万円。毎月5万円を貯金やボーナスから赤字補填していることになります。恒常的にこの状態ですと、1年間で60万円の補填が必要です。

月の収入以外を見ると、ボーナスが年間で120万円ほど支給されるようです。ですが、その半分は旅行や帰省、家具家電の購入などで使って使ってしまうとのこと。つまり、残りのボーナス額は60万円ですが、先程の補填額を考慮すると、年間を通して収支をみた時に残るお金はなく、貯蓄がまったく増えません。

貯蓄を増やしていくには、「収入を増やす」「支出を絞る」「運用して増やす」という3つの方法がありますが、相談者さんの場合、「運用して増やす」については確定拠出年金があるので十分だと思われるため、「収入を増やす」と「支出を絞る」を検討していくと良いでしょう。

3歳のお子さんはすでに幼稚園に入園中でしょうか。もし少しでも手が離れるようであれば、奥様が短時間のパート・アルバイトに出て収入を増やすということも一案です。もし、それが難しいということであれば、無駄な支出を見つけ、支出を削減して、毎月の収支が黒字となることを目指していきましょう。

家計を圧迫する外食は頻度や予算を設けて

支出を削減するには、通常は固定費から削減することが効果的です。しかし、相談者さんご一家の場合、変動費の支出が多いことが目立つため、まずはご自分達が毎月何にいくら支払って暮らしているのかを把握し、その金額や使い方自体が妥当なのかを検討してみましょう。

現在の食費は、一般的な乳児のいる3人暮らしのご家庭よりも高額だと感じます。お子さんが外食を喜んだり、ご夫婦も楽しみだったりすると思うのですが、外食の頻度や予算などのルールを決め、むやみに行かない習慣を作る事が大切です。また、日用品も高めですので、食費と合わせて1週間の予算を決めてやりくりしてみましょう。現状は1週間に2.7万円を消費していますから、たとえば最初は週2.5万円、できるようになったら週2.3万円といったように徐々に下げる工夫をしていきます。

それが習慣化できると、支出をコントロールできるようになっていくでしょう。支出状況を把握した上で、そういった削減が現実的か、実行可能かを検討し、できそうな部分はかならず行動に移してみてください。実行してみると、食費などの他にも趣味・娯楽費や使途不明金、ボーナスの使い方なども気になるようになるはずです。そうなると、支出の削減は急速に進むでしょう。

住宅購入は黒字化して頭金を貯めてから

現在の赤字の状態で、改善されないままに住宅購入を視野に入れてしまうと、赤字を加速させたり、将来的に住宅ローンの返済が不能になったり、最悪のケースでは住宅を手放さなくてはいけなくなる可能性がありますから、慎重に考えましょう。いくら住宅ローンを組めるからといっても、現状では購入することはおすすめできません。

まず第一は、家計を黒字化し、頭金をしっかり貯めることです。頭金として準備すべき金額は、物件価格の2割程度を目標にしてみてください。

住宅は長く付き合うものですので、将来的な家族構成や希望する暮らし方に合った物件を選びたいものです。もう2人お子さんが欲しいと考えているのであれば、お金の貯まり具合とお子さんの人数などを見ながら、じっくり検討しても良いと思います。

mirai talkはマネーフォワードから生まれた公平で安心できるお金の相談窓口です。新宿駅から徒歩約5分。本気で家計を変えたい人のための「貯まる家計養成プログラム」を提供しています。

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