はじめに

日銀のマイナス金利政策が導入されてから、住宅ローン金利も下がり続けていました。今年の8月には、りそな銀行で10年固定の金利が0.35%と驚きの数字を打ち出しています。ところが9月には、0.45%に上昇(10月も引き続き0.45%)。少しずつ、金利上昇の足音が聞こえてきたような気がしませんか?


借り換えの計画はお早めに

銀行の住宅ローン金利は、毎月初めに公表されます。ただし、この金利で借り入れができるのはその月の間だけです。金利は、借り入れ実行のタイミングのものが適用されます。

では、借り入れの申し込みから実行までには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。

通常、インターネット等で事前審査を依頼してから実際の借り入れを行うまで、早くても1ヵ月ほどかかります。8月20日ごろに0.35%で借り入れしたい!と思っても、実際に借り入れができるのは9月に入ってから。つまり0.45%で借り入れを行うことになってしまうので、金利が0.1%も変わってしまうのです。

住宅ローン残高が3000万円、返済期間が30年ほど残っている場合には、金利が0.1%変わるだけでも支払利息が合計で47万円も増えてしまいます。思いたったら即行動、事前審査だけでも受けておきたいですね。

借り換えは本当にお得なのか!?

ここ数年、住宅ローン金利はとても安くなっています。固定金利に比べてさらに割安感のある、変動金利で借り入れをしている人も多いと思います。優遇金利が適用されて、現在は1%程度の変動金利で借り入れを行っている人も多いのではないでしょうか。

一般的に「金利差が1%以上あれば借り換えがお得」と言われています。では変動金利1%で借り入れをしている人は、借り換えをしても意味がないのでしょうか。実例を見ていきましょう。

3500万円の35年ローンを現在の変動金利1%で組んでいるAさん。ボーナス返済なしで毎月の返済額は98,800円です。既に5年間返済を行ってローン残高が3000万円ほど残っています。

Aさんが、残りの期間を現在の10年固定金利0.45%で借り換えを行ったらどうなるでしょうか。毎月の返済額は91,232円になり、1年間で約9万円、10年間では約90万円も返済額が減ることになるのです。住宅ローン残高や返済期間がまだまだ残っている人は、一度借り換えを検討してみる価値がありそうです。

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