読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は花輪陽子氏がお答えします。


1歳7ヵ月の子どもがいます。周りの友人は、子どもが生まれる前後に学資保険に加入して将来に備えているようです。両親や叔母からも絶対に入るよう勧められました。ですが、いまいち商品の魅力が分からず、加入しないまま2年近くが過ぎ、子ども用の貯蓄は児童手当を使わずに普通預金に預けているだけです。このような貯蓄のみで足りるのでしょうか。学資保険のメリット、デメリットについて教えてください。
(男性 30代前半 既婚・子ども1人)

花輪: 「子どもができたら学資保険」——そのように考えている人は未だに多いです。

しかし、現在の日本経済を考えると、日本では貯蓄型の保険は資産形成をする上で、必ずしも最適な手段というわけではありません。なぜなら、予定利回りが非常に低いからです。

超低金利時代に貯蓄型保険に加入するメリットなし?

1970~80年代と超低金利時代の現代とでは、時代背景がまったく異なります。

生命保険会社が、契約者にあらかじめ約束する運用利回りを「予定利率」といいますが、1985年4月から1993年3月まで予定利率は5.5%でした。しかし、2013年4月以降の予定利率は1%です。運用利回りが低い時代に貯蓄型保険に加入しても、それほどお金は殖えません。

また、保険契約は長期に渡るため、そちらに資金を割いて投資をする元手がなくなると、株式市場や不動産市場が好調な時代に、逆にお金を「殖やし損なう」という機会損失にもつながります。

予定利率が高い時期に、貯蓄性の高い保険に入ったという人は契約を維持してもいいと思いますが、これから加入しようと考えている人は加入時期をよく考えたほうがいいでしょう。

加入時期の見極め方

日本生命保険は日銀がマイナス金利政策を導入したのを受けて、円建ての貯蓄性商品の販売をやめていました。2018年7月31日に日銀がゼロ%程度に誘導していた長期金利に一定の変動を認め、ようやく取り扱いを再開したところです。

貯蓄型保険は契約時に予定利率が決まります。そのため、たとえば、バブル経済末期などのように、その時点では高金利だけど、今後に関しては景気後退予測があるというような時期などに加入すると、有利になる可能性が高くなります。反対に、現在のような低金利でインフレリスクがある時に加入すると、不利になる可能性が高いのです。

つまり、親世代とは経済状況が違うので、親世代のアドバイスをそのまま鵜呑みにすると損失を被る可能性があるのです。

学資保険のメリットとしては、取り崩しにくいので確実に貯めることができる、万一の際に保障機能が付いていることなどが挙げられます。ですが、預金で貯めて、掛け捨ての生命保険に入れば同じ効果が期待できます。

児童手当とは別に月1万貯める

児童手当をこまめに貯めていくのは有効です。児童手当を全額ためると約200万円になるからです(年収などによって条件は異なります)。児童手当は親名義の口座にしか入金してもらえません。家計口座に入金をすると生活費と紛れてしまうため、専用口座や子ども口座に移し替えるなどして、教育資金として貯めていきましょう。

お祝いやお年玉、児童手当に加えて、子ども口座に月1万円程度貯めていけるとベストです。18年間で216万円貯まり、児童手当などと合わせると500万円近くになるからです。1人当たり500万円あれば、国内の多くの大学の授業料をまかなうことができます。

子どものお金を運用する際は、どのような金融商品を選ぶべきでしょうか。子どもの教育費は将来予定されている費用ですから、元本割れすると困ってしまいます。そこで、元本の安全性の高い金融商品を選ぶべきでしょう。今は低金利なので、個人向け国債(変動金利10年)や期間の短い定期預金などがよいでしょう。