はじめに
読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回はマネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。
最近結婚をしました。お互い収入があり、貯蓄も同世代と比べると貯めている方だと思います。これから子どもを二人作る予定なのですが、どのくらい貯蓄をしていけばよいでしょうか。また、銀行の窓口で勧められ、NISA口座を開設したのですが、やり方が合っているのかわかりません。アドバイスをいただけますか。
〈相談者プロフィール〉
・男性、38歳、既婚(妻:34歳・会社員)
・職業:会社員
・手取り月収:54万円
夫:30万円
妻:24万円
・手取り年間ボーナス:350万円
夫:200万円(業績連動)
妻:150万円(業績連動)
※ボーナスの7割程は貯蓄に回している。
・預貯金:2,000万円(両親からの相続分含む)
・有価証券:500万円(株)
・NISA:月3万円(銀行の窓口で開設)
【家計の内訳(約41万円)】
・住宅費:18万円(賃貸)
・保険:1.5万円(夫のみ、貯蓄性のある死亡保障付の保険、ドル建て)
・教養・教育費:1万円
・通信費:2.5万円(携帯×2、自宅回線)
・食費:4万円(外食代含む)
・水道光熱費:1.5万円
・趣味・娯楽費:4万円(週末のお出かけなど)
・衣服・美容費:3万円
・その他支出:5.5万円
FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkファイナンシャルプランナーの福田です。現在の貯蓄は比較的順調ですね。お子さんが生まれるまでは、今のペースを最低限維持して、どんどん蓄えを増やしてほしいと思います。
お子さんが生まれると、食費や生活日用品などの支出が増えたり、お子さんに手のかかる乳幼児期は奥様の働き方も変わる可能性があります。いくつか注意をして、家計支出を整えていただきたいと思います。
出産後、一馬力で家族を支えることも視野に入れて
「子どもが欲しいのですが、いくら貯蓄が必要ですか?」という質問はよく聞かれます。子育ては、親の価値観によってお金をかけようと思えばたくさんかけられますし、最低限で育てたいと思えば、意外と節約しながら育てられます。
また、子どもが生まれたら、奥さん(またはご主人)が中心に子どもの面倒を見ていくのか、それとも共働きで保育園などを頼っていくのか。それによってもお金の流れは違ってきます。
もしかすると、奥さんには子育てに専念してほしいとご相談者さんが思うかもしれません。また、出産後の体調が思うように回復しなかったり、お子さんが思ったよりも手がかかる状況だったりという理由で、奥さんが仕事に復帰できないということもあり得ます。保育園に予定していたように入園できなかったということもあるかもしれません。
そうなると、しばらくの間ご相談者さんの一馬力の収入で家族を支えることになります。そのため、現在、月41万円かかっている生活費を、ご相談者さんの月収30万円以内まで下げておく必要があるかと思います。その場合、月に11万円以上の支出削減を目指すことになりますので、支出の優先順位を考え、必要なものにお金を使っていくような習慣を身に付けるとよいでしょう。
大学入学までに少なくとも300万円準備
教育費を考えるにあたり、「自分たちは子どもにどのような教育を受けさせたいのか」という方針を、夫婦間で確認しておきましょう。
仮に、こだわりがなく、「近所の保育園・幼稚園に通い、公立の小・中・高と進み、私立大学へ入学する」という流れを考えた場合、大学入学までの日々の学費は毎月の収入から出し、大学入学の初期費用として、子ども一人につき少なくとも300万円、できれば500万円を子どもが18歳になるまでに貯めるように計画していきましょう。
ご相談者さんの現状の貯蓄額では教育資金の準備はもうできている状態とも言えますが、家族が増えると、マイホームが欲しくなるとか、マイカーを保有したくなるなど、今は予定していない物の購入を考えるようになるかもしれません。
一度奥さんと、家族としての暮らし方の理想や目指すところについて話し合い、今後必要となる資金を試算してみてもよいでしょう。自分たちの老後資金も忘れずに貯蓄目標額に加えていきましょう。
家計状況に余裕があるならNISAを活用
もし、お子さんが生まれた時に奥さんが仕事を辞めてしまうのであれば、NISAは無理に拠出しなくてもよいと思います。赤字を作ってまで投資にお金をかけるのでは、本末転倒です。支出が圧縮されて家計が黒字になるとき、もしくは奥さんが復職して家計にゆとりができる時までは、我慢したほうがよいでしょう。
NISAを継続して問題ない家計状況を作ることができれば、銀行でやること自体はよいと思います。ですが、NISAの種類にもよるかもしれませんが、銀行では取扱商品が少ないということもあるようです。
通常のNISAは年間投資上限額が120万円、非課税期間が5年間なのに対して、つみたてNISAは年間投資上限額が40万円、非課税期間が20年間です。投資できる商品の種類も異なりますので、比較して、どちらのNISAを利用するとよいか検討してみるとよいでしょう。
もし、今現在、現行NISAを利用していて今後つみたてNISAに変えようと思うのであれば、10月から12月の間に翌年の口座のタイプを変える手続きをしなくてはいけません。NISA口座は1人1口座しか作れませんので、非課税投資制度の種類を変えるのであれば、手続きが必要なのです。
mirai talkはマネーフォワードから生まれた公平で安心できるお金の相談窓口です。新宿駅から徒歩約5分。本気で家計を変えたい人のための「貯まる家計養成プログラム」を提供しています。