10月1日は中国の建国記念日。この日から約1週間が国慶節という、春節(旧正月)と並ぶ大型連休になります。毎年、この時期には中国からの観光客の様子が話題となります。

国務院が発表した2018年の国慶節は1日から7日までの7日間。直前の土日も合わせると、9連休にもなります。日本でいえばゴールデンウィークのような大型連休ですから、たくさんの人が海外旅行に出かけ、日本にも多くの観光客が訪れるわけです。

となると、インバウンド消費で注目される企業や業界には、恩恵が大きいと考えられます。それなら国慶節が終わった週明け(日本市場は8日が体育の日の祝日であるため9日)での投資タイミングを考えて、インバウンド関連に投資した場合には、高い収益が期待されるかもしれません。


相次ぐ自然災害の影響は?

2020年の東京五輪後の日本経済の持続的な発展のテーマの1つが「観光立国」です。今後の経済の牽引役として、中国人のインバウンド消費には大きな期待がかかっています。

最近のインバウンド消費の状況を概観すると、数年前まで銀座の百貨店などで話題となった高級品の“爆買い”は落ち着いたようです。しかし、観光庁から発表された、昨年の訪日外国人旅行消費額は過去最高の4兆4,161億円。その4割程度(約1兆7,000億円)が中国からの訪日客で占められました。

ただ、9月に入ると、外部環境に変化が起きました。わが国で自然災害が多発してきたのです。

台風21号が関西地方を直撃し、関西の玄関である関西国際空港が数日間ストップ。北海道胆振東部地震からの復旧も道半ばです。加えて、国慶節入り直前で、超大型の台風24号が日本を縦断しました。こうした中で「日本への旅行を控えるのでは?」との懸念もあるようです。

しかし、中国最大級の旅行代理店Ctrip(シートリップ)が9月20日に発表した国慶節期間中の海外旅行先人気ランキングで、日本が初の首位となりました。さまざまな被害報告はされていますが、復旧の速さなどが安心感につながっているとみられています。

どんな業種がインバウンド関連か

今回、旅行先として日本が初のトップになったわけですから、今年の国慶節での中国人観光客のインバウンド消費の結果がどうなるか、大いに期待がかかります。そこで、3つのインバウンド関連業種を取り上げてみました。

東京証券取引所では、33業種の株価指数を公表しています。これは東証1部の上場企業を33の業種に分類して、それぞれの業種の株価の動きを算出したものです。

まずは小売業です。ひと昔前に流行った爆買いでいえば、百貨店も小売業になります。また、家電量販店やディスカウントストア、ドラッグストアも同じ業種に分類されます。

次が陸運業です。観光には移動がつきものですので、鉄道などがこれに該当します。

最後が空運業です。こちらも飛行機移動ニーズで恩恵を受けます。また、関連の旅行会社も空運会社の収益につながります。

インバウンド業種への影響はまだら模様

図1では、3業種の東証株価指数の騰落率を計算しました。国慶節が終わった後の日本市場の立会日となる10月8日の終値で投資した場合に、1ヵ月後の騰落率を見たものです。

インバウンド消費が注目され始めたのは、それほど昔ではありません。そこで今回は、2012年以降を取り上げました。

ここで1つ、注意点があります。3つの業種の株価については、相場全体よりも上がったかを調べるため、日経平均株価に対して、どの程度超過して上昇したかを見ています。

国慶節でのインバウンド消費の期待がより反映されるなら、相場全体よりも大きく上がると期待されます。しかし図1の結果からは、3業種とも期待に反して、プラス傾向が見られません。

(写真:ロイター/アフロ)