はじめに

クイズ・ゲームや映像で薬の不思議を解明!

Daiichi Sankyo くすりミュージアム(東京都中央区)

江戸時代には薬種問屋が多く集まっていた町・東京日本橋。今でも多くの医薬品関連の会社があります。そのうちの一つ、製薬会社の第一三共本社ビル内には、薬について学べるミュージアムがあります。

薬というと、ちょっと難しい印象を受けるかもしれませんが、子供でも楽しみながら学べる仕掛けがあちこちに施されています。

受付では、はじめにICチップが内蔵されたメダルを渡されますが、くすりミュージアムではこのメダルが鍵。所定の場所にメダルをはめこむと、映像が流れ出したり、ゲームがスタートする仕組みになっています。

音と映像で思わず引き込まれる

私たちの体はどのような構造をしているのか、病気になったとき細胞はどんな働きをしているのか、そして薬は体の中でどのように細胞を助けているのか……。言葉にしてみると難しいですが、映像を用いて解説しているため、内容が頭に入っていきやすくなっています。

ほかにも、カプセル・錠剤・コーティング剤などの溶け方の違いが比べられるコーナーや、薬の正しい飲み方を映像で解説してくれるコーナーがあります。

「薬をジュースや牛乳で飲んでもいいの?」「1日3回食後に飲む薬、飲む時間を守らなかったらどうなる?」「錠剤を砕いて飲んでもいいの?」など、誰もが一度は不思議に思ったことのある疑問も解消されるはず。

透明な人型の模型を使って、薬がどのように体を巡ってゆくか観察することもできます。

薬の未来を考えるコーナーでは、がん細胞が発生する仕組みや最近のがんの治療法が、3面を使った大型スクリーンで映し出されます。

遊びながら学べるコーナーが充実

館内には、薬の種類による働き方の違いや、有効な成分の組み合わせについて、遊びながら触れられるコーナーも充実。

シロップ剤・点眼剤・散剤(いわゆる粉薬)など、くすりの形によって違うそれぞれのメリットは、クイズで当てながら学べます。有効な成分の組み合わせは、モニターを使った3Dパズルを使って体験が可能です。

そして特に盛り上がるのが、薬がどんな仕組みで力を発揮するかがわかる対戦型のゲーム。細菌に見たてた玉をテーブルホッケーのように打ち合うことで、どのように薬がウイルスや細菌の増殖を防ぐのかを遊びながら学びましょう。

私たちが苦しいときに助けてくれる薬は、意外に知らないことだらけ。ミュージアムでは大人もいい勉強になります。薬に苦手意識のある子供にとっては、克服するきっかけになるかもしれませんね。

Daiichi Sankyo くすりミュージアム
東京都中央区日本橋3-5-1、東京メトロ銀座線・半蔵門線三越前駅A10出口から徒歩2分、JR総武快速「新日本橋駅」5出口徒歩1分、TEL:︎03-6225-1133、入館無料、10:00~18:00(最終入館17:30)、月曜(祝日の場合は翌平日)・年末年始休館

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文=佐藤成美、南雲恵里香(くすりミュージアム)(風来堂)

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