はじめに

2016年11月23日(水)、渋谷・セルリアンタワー東急ホテルにて開催されたイベント「お金のEXPO 2016」。「貯蓄から投資へ」と題した本イベントは、ゲストスピーカーによる講演を始め、業界を代表する金融機関の専門家によるセミナーなどが行われ、お金について網羅的に学べる場となりました。

当日開催されたセミナーの中から本記事では、株式会社エフピーウーマン代表でファイナンシャルプランナーの大竹のり子氏が語った投資初心者のための資産運用に関するコツについてご紹介します。


大竹氏: リスクが怖い人のための資産運用と称して、まだ最初の一歩が踏み出せない方のためにお話したいと思います。

私が代表を務める株式会社エフピーウーマンでは、さまざまなイベントでの家計相談や書籍の出版を行っていますが、最近力を入れているのがお金の教養スクールです。

私たちは一日も欠かすことなくお金を使う生活をしていますが、お金についてきちんと学ぶ機会はほとんどありません。でも、お金は使い方を間違えると事故を起こしてしまいます。お金という道具を正しく使える人を増やしたいという思いからこういった活動を始めました。

いま、お金の勉強が必要な理由

最近はお金に関する情報番組も多くなってきて、とにかくお金を殖やしたいという人が多いようです。そもそも貯蓄がどうやって殖えていくかというと「(収入−支出)×利回り」という式で表すことができます。貯蓄を増やそうと思ったら、

  • 働いて収入を殖やす
  • 節約して支出を減らす
  • お金を運用する

という方法が考えられるわけです。

そのなかで多くの人が収入を殖やすことや支出を減らすことだけに注力しすぎて、なかなか結果を出せていないのではないかと思います。貯蓄を殖やしていくためには、3つの方法をバランスよく取り入れることが必要です。

まず、皆さんにお伝えしたいのが「貯蓄だけではお金は殖えない」ということ。

ここでは(預けた元本が2倍になる期間が簡単にわかる)「72の法則」を使って説明していきます。たとえば、100万円を2倍の金額に増やしたいと思っているとします。このとき普通預金で運用すると金利は0.001%。72の法則を使うと「72÷0.001」でなんと7万2千年もの歳月がかかります。定期預金の場合、金利を0.1%とすると「72÷0.1」で720年。途方もない数字です。つまり、普通預金や定期預金だけではお金を殖やすのは難しいということです。

次に、資産運用について考えてみましょう。

利回りが1%の場合、1か月3万円の積立を30年間続けると、元本1080万円が1097万円、17万円も増やすことができます。これが3%の場合は1750万円、5%だと2500万円。利回りの違いで得られる金額にはここまで大きな差が出るわけです。

お金のこと、とりわけ資産運用について勉強することで、20年30年先に大きな利益となって還ってきます。なかなか最初の一歩を踏み出せない人はとてももったいないのです。そこで資産運用と上手に付き合っていくためのコツを紹介します。

新NISA、自分に合った投資金額をお手軽に診断!マネーフォワードMEプレミアムサービス[by MoneyForward HOME]