はじめに
支払総額10万円超で審査対象に
消費者金融会社は金融庁の監督を受けていますが、信用購入あっせん業の登録をしている業者は経済産業省の監督を受けています。その監督指針の中で、経産省は「ユーザーの支払い能力をちゃんと審査しなさい」としています。
一体どんな人が審査を通らなくなっている?
ただし、例外があって、個別信用購入あっせんの場合、「耐久性を有し定型的な条件で販売するのに適した支払い総額が10万円以下の生活必需品」は審査対象から除外することができます。
つまり、昨年までは支払総額が10万円以下になる人が多かったのに対し、今年はiPhoneの端末価格が一気にハネ上がったことで、10万円を超える人が急激に増えたのです。
審査不通過の理由はブラック情報にあらず
それでは、一体どういう人が審査を通らなくなっているのでしょうか。審査に当たって最初のハードルになるのが、本人申告の収入状況、つまり定期的な収入があるかどうかです。次が、その定期収入が分割金を2年間支払えるだけの額かどうか、です。さらに、過去に滞納歴がないかどうかを、信用情報機関に照会します。いわゆる「ブラック照会」です。
信用情報機関は3つあります。銀行が加盟しているのが全国銀行個人信用情報センター(JBA)、消費者金融会社が加盟しているのが日本信用情報機構(JICC)、そして信販会社やクレジットカード会社など、信用購入あっせん業者が加盟しているのがCICです。このうち、キャリアが加盟しているのはCICになります。
ネット上では「通信料金を滞納している人が審査でハネられる」と言われていますが、実情は少し違うようです。
通信料金は滞納すると即、督促が来て、払わないと通信を止められてしまいますから、そもそも滞納したままでは新しいスマホを買う意味はありません。何度も滞納している人の場合だと、審査に影響が出る可能性がないとはいえないのですが、審査に通らない人が急増した理由は別にあるようなのです。
どんな人が審査でハネられている?
経産省によれば、「学生やフリーターなど安定収入がない人の場合、そもそも入口でハネられているケースがある」といいます。
未成年であれば、そもそも親権者の同意が必要なので、最初から親の同意を取って申し込みますが、成年で安定収入がない人の場合、言われなければ、たとえば親の保証を付けて申し込むということはしません。
キャリアも、親の保証が付けば売ることができるユーザーでも、そういった説明をせず、ブラック照会うんぬん以前の段階で機械的にハネているらしいのです。今のところ、キャリアが細かいフォローをする予定はないようです。
もっとも、安定収入がないからといって、高額のスマホを持つ資格までないわけではありません。クレジット会社の尺度では「払えない」と見なされただけですから、お金を貯めて現金一括払いで購入すべきでしょう。