はじめに
“大した変化は起きない”少数派の意見
楽観派にせよ、悲観派にせよ、何らかの変化を予感している主婦が大半を占めている一方で、「大した変化は起きない」と回答した人たちが6.5%存在しています。一見天邪鬼?にも思えてしまう少数派の人たちは、どんな考えなのでしょうか。
「自分は企画デザインの仕事なので、AIが入ってきても仕事を全て取られることはないと思う(30代:正社員)」「人でなければ感じ取れない(人間ですら言葉で説明できないようなこと)の域は、やはり難しいだろうと思います(40代:派遣社員)」「壊れたらどうせ直すのは人間(30代:契約社員)」
変化が全く起きないと高をくくっているのではなく、変化はあるものの、楽観したり悲観したりするほど大したことではない、と考えている冷静な意見のように感じます。
楽観派、悲観派、期待・不安同居派、冷静沈着派。AIに対する働く主婦層の捉え方は人それぞれ異なります。また、その人が携わっている職種などによってもAIに対する考え方は変わってくるようです。これらはどれが正解というものではなく、今ある情報の中で見ることのできる未来像の、様々なパターンを示してくれているように思います。
AIとの共存時代に向けて
冒頭で紹介した野村総合研究所の研究結果が発表されてから約3年。将棋界の名人がPonanzaに敗れた「事件」から1年半。AIや自動化というキーワードは私たちの仕事場でも少しずつ耳にする機会が増えてきました。
しかしまだ、半分近い職業が奪われてしまうほどのインパクトが現実に生じている訳ではありません。
これから訪れる本格的なAIとの共存時代に向けて、私たちは何を心がけ、どんな準備をすればよいのか。それは社会に生きる私たち一人ひとりに投げかけられた問いです。
その問いにどう向き合うか。人生経験豊富な社会人であり、消費者層の中核であり、熟練のビジネスパーソンでもある働く主婦層の声は、大きな変革期にある日本社会を生き抜くための示唆を私たちに与えてくれているのではないでしょうか。