波乱の10月を終え、今年も残すところあと2ヶ月。注目された米中間選挙も終え、この先の株式市場はどのようになるのでしょうか?


米トランプ政権に右往左往の日本市場

日本の株式市場は、引き続き米トランプ政権が打ち出す政策に大きく振り回される展開が続いています。9月は米トランプ大統領が米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)に合意したことから、トランプ政権の保護主義的な貿易政策が落ち着くと見たマーケットはリスクオンに傾き、日経平均株価も2万4,000円を超える水準まで大きく上昇しました。

しかし、10月4日にペンス副大統領がハドソン研究所でトランプ政権の対中政策に関する包括的な演説を行い、政治や経済・軍事などの分野で具体例を挙げて中国を名指しで非難したことから、米中間の緊張が今後さらに高まるとの時懸念が広がりました。

折から、米中貿易戦争の影響が日本企業の業績にも表れ始めていましたが、今後も影響が広がるとの見方が強まり、アジアの株式市場は軒並み大きく下落しました。その後は、割安感から押し目買いが入り、株価は戻り基調にあるものの、引き続き不安定な値動きを続けています。

11月は株式投資に最良の時期?

このように米トランプ政権に振り回される日本市場ですが、11月は株式投資をするうえで最良の時期とされています。2004年11月から2018年10月までの日経平均株価の月別騰落率を見てみると、1年間で最も値上がりしやすい月は12月、続いて11月と6月が2位タイで並んでいます。(下図)

このような傾向となる理由としては諸説ありますが、アメリカのファンドの決算期が10月であることが一つの要因と考えられています。各ファンドは、税制の関係から年度末にかけて成績の悪いポジションを売却する傾向にあります。この売り要因が過ぎた11月以降は、再び株式市場に資金が向かいやすくなると考えられているのです。

米中間選挙の影響は?

この先の株価を予想するうえで重要なアメリカの中間選挙は、上院は共和党が、下院は民主党が過半数を制するという結果に終わりました。いわゆる「捻じれ」状態ですが、トランプ政権の政策に良い意味でブレーキがかかると見られ、現時点では、株式市場への影響は限定的なものとなっています。

この中間選挙ですが、選挙以降の1年間はアメリカの株式市場が上昇しやすいというデータがあります。1985年以降における中間選挙から1年後のS&P500指数を調べてみると、全て上昇しています。(下図)これは、中間選挙が大統領就任から2年目に行われるため、次の大統領選挙を前に時の政権が景気刺激策を打ち出してくることが多いから、と考えられています。

このように、株式市場のアノマリー(相場の経験則)的には、買いを示すデータが多い状況です。ただし、現在の米大統領はこれまでの常識にとらわれないトランプ氏なので、これまでの経験則を打ち破ってくる可能性も無いとは言えません。中間選挙後に、どのような政策を打ち出してくるのか、引き続き注意が必要なことは確かでしょう。

(文:松井証券 シニアマーケットアナリスト 窪田朋一郎)