はじめに

日本FP協会調べ「年代別比較 くらしとお金に関する調査2018」によれば、現在の暮らしに不満を抱く年齢層は40代で52.5%が不満と最も多くなっています。仕事やプライベートが充実しているようにみえますが、実はいろいろな悩みを抱えている世代でもあります。

40代は、今のままでいいのか、今後どうするべきか、老後の不安が徐々に現実的になってくる頃。そんな時期を、多くの人はどのように乗り越えているのでしょうか。

今回は、東京都内で暮らす40代独身女性の年収、貯蓄、生活費の平均について見ていきます。そして、悩みを抱えつつも、しっかり暮らす女性の姿を追ってみたいと思います。


東京都の40代女性の年収は、約387~396万円

女性の年齢別平均年収を見てみると、企業の規模でも違いがあることがわかります。厚生労働省の、「2017年賃金構造基本統計調査」によれば、40~44歳までの平均月収は26万2400円。45~49歳では、26万8200円です。

注目しておきたいのは、40代の賃金は30代から大きく増えてはいないこと。そして50代もあまり増えていません。一概にはいえませんが、今後の暮らしを考えるうえで参考にしておきたいですね。

さて、同調査によれば、東京都の賃金は全国平均の約1.23倍。若干高めになっています。賃金の高い上位5都府県を挙げてみました。

東京都の40~44歳女性の平均年収は、全国平均の1.23倍とすると、約387万3000円。45~49歳では、約395万8600円です。月の手取りだと25、26万円の計算ですから、家賃や食費、水道光熱費などの生活費を払いつつ貯金となると、決して楽ではない暮らしがみえてきます。

独身40代の平均貯蓄額は936万円。だが貯蓄ゼロは45.9%

では、独身40代はどのくらいの貯蓄をしているのでしょうか。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(単身世帯調査)2017年」によれば、936万円。ただしこの金額は、貯蓄ゼロの人から1000万円以上の貯蓄がある人までを含めたデータの平均であることに注意しなくてはなりません。

実は、貯蓄がまったくない独身40代は全体の45.9%も占めており、その一方、1000万円以上の貯蓄をしている独身40代は21.3%。平均の貯蓄金額がある人は5.5%しかいないので、決して実態を表しているとは言えない数字です。平均値では、少数の高額資産保有者によって、大きく引き上げられるので、実態を知るには、単純に合計を人数で割った平均値よりも、中央値を見ることが適切です。

中央値とは、数値の小さい人から大きな人まで並べた時、真ん中の人の値のこと。独身40代の、金融資産を持っている人の平均貯蓄額は1747万円、中央値は700万円。つまり、独身40代の54.1%は貯蓄をしており、金融資産は700万円ほどの人が多いのですが、その一方で貯蓄ゼロの人が45.9%もいる、という二極分化の状況になっているのがわかります。

前出の日本FP協会の行った、「年代別比較 くらしとお金に関する調査2018」によれば、40代女性の不安のトップは「老後の生活設計」で72.5%(複数回答)。そして、老後の資産形成のために有効だと思う制度は、公的年金との回答が32.0%ですが、私的年金との回答も34.0%、自分で準備をしなくてはと考えている人が多数です。

個人の資産形成制度には、iDeCo、NISA、つみたてNISAなどがありますが、iDeCoが12.0%、NISAが10.0%、つみたてNISAが10.0%と、新しい制度にも関心があることがわかります。貯蓄をする人は、マネーに関する情報にも敏感なようです。

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