読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。今回は竹内美土璃氏がお答えします。


老後資金をいくら準備すれば良いでしょうか。最近、少額ながら個人年金、つみたてNISAとiDeCoを始めました。主人の会社は退職金が支給される予定はなく、代わりに企業型確定拠出年金が15年ほど前から導入されています。夫婦ともに60歳以降も働く予定ですが、私が60歳で定年するまでにいくら準備すれば良いでしょうか。目標額を定めて貯金に励みたいと考えていますが、目標をどう立てたらよいのかわからないので教えてください。子どもの大学費用は、現在の貯蓄と学資保険で何とか対応できると思います。住宅ローンはあと9年です。完済後もマンションのため修繕積立金や管理費などで月4万円はかかります。


〈相談者プロフィール〉
・女性、42歳、既婚(夫:49歳)、子ども2人(小6、小5)
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(マンション)
・手取りの世帯月収:57万円
 夫:31万円(手取り年収550万円)
 妻:26万円(手取り年収560万円)
・毎月の支出目安:47万円
・貯金:700万円
・企業型確定拠出年金(夫):300万円
(あと11年、元本年8万円増)
・つみたてNISA(夫):毎日400円
・退職金(妻):1000万円
・iDeCo(妻):月1.2万円(2017年10月より)
・個人年金(妻):年20万円(10年)
・負債(住宅ローンなど): 900万円

竹内: ご相談ありがとうございます。60歳の定年を迎えるまでに老後のお金を作っておきたいというお考えですね。教育費と住宅ローンの返済に追われる中で、目先のことだけではなく、将来にわたってきちんと考えられるのは素晴らしいですね。

挫折しないためには目標額が必要

今回のご相談は、老後資金の目標額を知りたいとのことですが、実はお金を作るときに最も挫折しないコツこそが、何のために貯めるのかという「目的」と、具体的な「目標」をしっかり持つことです。

つまり、相談者様の目的は「お金に困らない老後生活」。「どんな生活を送りたいか」目標を決め、「そのためにはいくら必要か」目標金額を設定することで、きっと実現できるでしょう。

どんな生活を送りたいかは、プロフィールを拝見しただけではわかりかねますが、現在は共働きでいらっしゃるとのこと。老後も今の生活レベルを落とさずに暮らしていきたいのであれば、それなりの金額を用意しておかなければなりません。今回は、一般的な基準値をお伝えし、現在の家計の数字を落とし込んでいきたいと思います。

老後に必要になる資金の求め方

老後の必要資金を求める基本的な公式は、以下のようになります。

(老後の1ヵ月の生活費)-(もらえる年金)=(1ヵ月の不足額)


(1ヵ月の不足額×12)×(死亡予想年齢―65歳)=(老後のための必要貯蓄額)

はじめに老後の生活費について見ていきましょう。平成28年度総務省の家計調査によると、高齢夫婦無職世帯の1ヵ月の生活費は約27万円です。ただし、これは最低限度の生活だといわれています。

趣味や旅行等を楽しみながら、ゆとりある老後を過ごしたいと考えた場合は、1ヵ月あたり約35万円の生活費が必要だといわれています(生命保険文化センター平成28年度「生活保障に関する調査」より)。今の生活より少し節約をする感じではありますが、ゆとりある生活を望まれていると仮定して、こちらの数字で試算してみましょう。

次に、老後の収入(年金)について考えていきましょう。厚生労働省が発表している、67歳以下の支給年金は月額22.1万円。夫がサラリーマン、妻が専業主婦というご家庭をモデルケースとしています。つまり、1ヵ月の年金の内訳は、国民年金(夫と妻)+厚生年金(夫)となります。

相談者様は共働きでいらっしゃいますので、ご夫婦同額の年金がもらえたと仮定すると、2人で月額31万円(平成29年度の新規裁定者の一人当たりの年金額は国民年金6.5万円、厚生年金9万円)。もし、具体的にご自身の年金を調べたいのであれば、ねんきん定期便を見てくださいね。