はじめに
簡単、便利なだけじゃない冷凍食品の奥深い魅力、機能やメリットをもっと広く、たくさんの方々に知ってほしい!とメディア出演や講演などを行っている、冷凍食品ジャーナリストの山本純子です。
今回、「冷凍食品は経済性も誇ることができる!」ということでお金の視点をいれて冷凍食品の解説をしていこうと思っております。
まずは冷凍食品について、その魅力、ポイントをご紹介します。合言葉は、『冷食、OK!』です。
5割の方が知らないこと「保存料不要」
「冷凍食品には保存料が不要です。ご存じでしたか?」というアンケートを行うと、約半数の方が、「知らなかった」と回答されます。マツコ・デラックスさんは「冷凍しているんだ、コノヤロー!よね」と表現してくれました(2016年5月 山本出演のTBS「マツコの知らない世界」)。
冷凍食品の保存、流通温度は、業界自主基準でマイナス18℃以下(0℉以下)。この温度帯では、食品を腐敗させる細菌が活動できません。つまり食品が腐らない。腐らない冷凍食品に保存料は使う必要がないのです。
こういう説明をすると、「そうか~」「なるほど」と納得していただけます。そして、「すごく長持ちする食品だから、保存料は絶対使っていると思っていました」「保存料がたくさん入った体に悪い食品だとずっと思っていましたけど、誤解だったんですね」「なんだ、すごく良い食品じゃないですか」といった感想が返ってきます。
もちろん、保存料は悪者ではないですよ。社会に有益だから存在しています。例えば、製造して日数が経ったと思われる常温の食品で、保存料を使っているもの、保存料を使っていないものを選ぶ場面があったとしたら、保存料を使ったものを食べる方が腹痛や下痢を起こす恐れがなく安全です。もっとも現代の日本で、そんな究極の選択を迫られる機会はない、とは思いますが。
食品の保存料は、食品の安全を担保するために、食品衛生法の規格基準に即して使用されています。でも、その安全性に不安を感じている人が多い、というのも事実。ならば、保存料不要の冷凍食品を積極的に使って頂きたいと思うわけです。
次のページでは栄養と味についてみてみましょう。