はじめに

子供をケアしながら、パートタイム勤務も可

そこで、今回のメインのご相談である働き方についてですが、当然、フルタイム勤務の方が収入を多く得られますが、現在の家計状況から見ると、お子さん2人の大学費用を勘案しても、必ずしもフルタイム勤務ではなくてもよいでしょう。お子さんのケアをしながら、パートタイムで勤務するという方向も検討できると思います。

ただし、パートタイム勤務といっても、どれくらいの収入の範囲で働くかが考えどころです。2018年から配偶者控除が適用になる年収のラインが変更になっていますが、ここでは詳細は割愛します。仮に夫の扶養に入る場合には、年収103万円以内であれば、夫は、配偶者控除が受けられ、かつ、妻も所得税を支払う必要はありません。国民年金の保険料についても第3号被保険者となるので、妻自身が保険料を支払う必要はありません。

ですから、仮にパートタイム勤務で年収103万円の仕事についた場合、手取り金額は約8万円程度です。ここからiDeCoとつみたてNISAの積立金額5.6万円を捻出しても、残り2.4万円を貯蓄することができます。下のお子さんが大学を卒業するとき、ご相談者さんは、50歳手前ですから、これまで通りの堅実な家計を続けていれば、老後資金の準備も間にあうでしょう。

厚生年金に加入すると将来受け取る年金はいくら増える?

とはいえ、ご心配の通り、パートタイム勤務で国民年金に加入するのか、正社員となり厚生年金に加入するのかによって、将来受け取る年金の金額に差がでます。いただいている情報だけでは、詳細な金額のシミュレーションは難しいので、簡単なシミュレーションをしてみたいと思います。

現在までのご相談者さんの年金加入状況がわからないので、わかりやすく、今年の4月からご相談者さんが43歳の時に、60歳まで年収103万円のパート勤務で働く場合と、年収240万円(ボーナスなしの場合)の正社員で働く場合で、その期間の年金について試算してみます。

そうすると、パート勤務の場合、年金額は年間約33万円、月額約2.7万円、正社員勤務の場合、年金額は年間約56万円、月額約4.7万円です。厚生年金の上乗せの分、パート勤務の場合に比べて毎月2万円程度多くなります。

働き方を考えるときには、お金の面から考えることももちろんですが、生活状況とのバランスも考えることが大切ですね。今回のシミュレーションは、あくまでもざっくりとしたものですが、よかったら参考にしてみてください。

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