はじめに

奨学金と教育ローンは何が違うのか?

では、一番心配されている、奨学金と教育ローンについて比べてみましょう。

すでにご存知かと思いますが、奨学金はお子さんが抱える借金 になります。日本学生支援機構の奨学金は、平成30年度では利息が0.22%程度と、とても安い金利で借りられます。成績や家庭状況によっては、無利息で借りることもできます。借りるには親の収入が影響するほか、状況に応じて、利子ありと利子なしをあわせて借りることも可能です。

1ヵ月に借りられる金額は、利子ありの場合で月額2万円~12万円(1万円刻み)。利子なしの場合は、最大で6万4000円です。奨学金には給付型もあります。学校ごとに基準なども異なり、成績が優秀、スポーツなどの課外活動で一定条件に当てはまるなど、条件は様々です。付属の高校であれば、早めに情報を得られるかもしれないので、ぜひ聞いてみましょう。

一方、教育ローンは親が借りるもの です。国の教育ローンで金利は1.75%。奨学金に比べると高い金利です。上限は、お子さん一人につき350万円。これから老後に向けての準備が必要な親御さんたちにとって、大きな借金となります。

借りる前に、お子さんが就職後、多少返済の負担をしてくれることを条件に利用するのなら、よいと思います。「奨学金を申し込み、利用できなかったら教育ローンを使う」と順序をつけて考えておくといいでしょう。

奨学金は何を目安にいくら借りる?

奨学金の場合、返済(奨学金では「返還」といいます)は貸与が終了した月の翌月から数えて7ヵ月目。3月卒業の場合ですと10月から返還が始まります。

最近の大卒の初任給は平均20万7000円ほどですので手取りにすると、16~17万円ほどでしょうか。奨学金を利用する金額にもよりますが、返済が可能かどうかが大切なポイントとなります。日本学生支援機構のサイトで、借りる金額のシミュレーションをしてみると、返済額をイメージしやすいと思います。返済が始まり、その後延滞が続くと、債権回収会社から連絡が来ることもありますので、お子さん自身がお金を借りるという自覚をしっかり持った上で申請するようにしましょう。

いくら借りるかは「お子さんが返せる額」を考えておくとよいと思います。大学はあくまで「学びたい子供が行く学校」です。自分が学ぶための学費のことなのですから、親がすべてを負担するという発想はやめましょう。在学中は、アルバイトをして、大学生活を支えるくらいのことをしてもらってもよいと思いますよ。

税金の基礎知識を身につけて賢く貯蓄する

進学に向けてがんばっているお子さんがいるご家庭は、貯蓄がしにくいのも当たり前だと思います。ですが、収入が不安定であるということも考慮し、できるだけ日々の無駄となっている支出を減らして、貯蓄をする意識をして過ごしましょう。

また、今は児童手当てが出ているので、お子さんは扶養控除の対象にはなりませんが、16歳になると一般扶養控除で38万円、19歳になると特定扶養控除で63万円の控除が受けられます。その分課税所得を減らすことができますので節税につながります。

大学に進学すると、アルバイトをするお子さんも増えます。時間があるからとアルバイトをし過ぎて、1年間で103万円を超えるほど収入を得ると、親御さんはお子さんを扶養控除の対象に入れることができなくなるので、お子さんにもしっかり伝えておきましょう。

お子さん自身に対しては勤労学生が適応されるので、アルバイト代が年間130万円を超えるまでは課税されません。こういったことも、知識としては持っていてほしいと思います。

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