昨年末の急落から、緩やかではあるものの持ち直し基調にある日本株市場。しかし、そんな状況下でも、銀行株の多くは値下がりが続いています。銀行業の未来に関して、暗い話が増えているからです。
一番の問題は、低金利が長期化する中で預貸金利ザヤ(貸付金利と預金金利の差)の低下が止まらないことです。金融庁が2018年9月に出した「金融レポート」によると、地方銀行の約半数(54行)が低金利に追い詰められ、本業である貸出・手数料ビジネスが赤字に陥っています。
今のような低金利が続くと、本業が赤字の銀行の数は年々増えていくことになります。筆者は、持続可能な収益を稼いでいくメドの立たない地方銀行株には投資すべきでない、と考えています。
ただし、すべての銀行株が投資に値しないわけでもありません。過去にファンドマネージャーを25年間務めた筆者が今、積極的に投資していって良いと考えているのは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)です。