はじめに
増税前後で住宅ローン減税がお得なのは
消費税増税後に、5,000万円(土地2,500万円、建物2,500万円)のマンションを購入した場合、住宅ローン減税は最大でいくら受けることができるのでしょうか。
借入金の利率が1.5%と仮定すると、最初の10年間で合計約400万円の住宅ローン減税を受けられることになります(2019年12月に借り入れ実行、居住開始と仮定します)。
その後、11年目~13年目は、建物購入価格2,500万円の2%である50万円を3分割した金額の住宅ローン減税を受けられますので、3年間の合計で50万円の減税を受けられることになり、13年目までの合計で、450万円の住宅ローン減税を受けられることになるのです。
一方で、現行制度では11年目~13年目までの追加減税がありませんので、住宅ローン減税は約400万円で終了となります。結局、どちらがお得なのでしょうか?
増税後の場合、マンション価格は税込みで5,250万円、減税額は約450万円となります。増税前の場合、マンション価格は税込みで5,200万円、減税額は約400万円となります。マンション価格がアップした分、減税額もアップしているため、プラスマイナスゼロになりました。増税後に住宅を購入しても損をしないような仕組みになっています。
転勤や単身赴任の場合の住宅ローン控除
現金で住宅を購入される場合は、増税前の方が50万円お得になりますが、住宅ローンを組んで住宅を購入される場合は、増税前も増税後も実質的な負担は変わらないといえそうです(収入や住宅購入価格、借入金残高によって結果は異なります)。
2020年12月31日までに住宅を取得して居住開始すれば特例を受けられますので、消費税アップにあせることなく、ゆっくりと住宅購入を検討することができそうです。
では、このタイミングで転勤などがある方の場合は、どうしたら良いのでしょうか。単身赴任の場合、配偶者やお子さんなどが住宅の購入から6か月以内に居住開始するのであれば、基本的に住宅ローン減税を受けることができます。
家族で一緒に赴任する場合は、購入から6か月以内に居住開始していた住宅であれば、転勤から戻ってきたあとに、残りの期間の住宅ローン減税を受けられます。ただし、転勤前と帰任後に税務署で書類提出などのお手続きが必要となりますので、注意が必要です。
人生で一番大きな買い物といっても過言ではない、住宅購入。消費税が2%アップすれば、その影響額も大きくなります。少しの書類作成と手続きの手間で、大きな減税を受けられるのが住宅ローン減税です。
この仕組みをうまく活用して、ご自身やご家族にとってベストなタイミングで、お気に入りの住宅を購入できると良いですね。