はじめに

家は大きな買い物。「どんな基準で選んでいいのか分からない」という人は少なくないでしょう。

「人生100年時代」といわれる中で、一生自分で住むのではなく、住み替えを前提に資産性のある家を選ぶという考え方も浸透してきています。今買うべき家とは、一体どんな家なのでしょうか。

家選びのコツを、「独身こそ自宅マンションを買いなさい」「マンションは学区で選びなさい」の著者で、不動産情報サイト「住まいサーフィン」を運営するスタイルアクト代表取締役の沖有人さんに5回にわたって伺います。

最終回は「老後に夫婦2人で住み替えを検討する際」のポイントです。


二人なら50〜60平米がベスト

マンションでも戸建てでも、子どもが小さいうちは都心より郊外の住宅地に住みたい。そう考える人は少なくないでしょう。大きな公園や大型ショッピングモール、ファミレスなど、子どもがいても誰にも気を使わずに過ごせる環境は子育て世帯にとって魅力的です。

でも、その子どもたちが家を出てしまったら。ファミレスにもモールにも縁がなくなり、ファミリーカーももう要らない。4LDKのマンションのほとんどが、すでに進学や就職で家を出た子どもの物置状態…。

結婚、出産、進学と、人はさまざまなタイミングで住宅購入を考えるもの。そこに「子どもの巣立ち」を加えて考えてみるのはいかがでしょうか。

老後にマンションの購入を検討している人に対して沖さんが最初に提案するのは、「狭い部屋」への住み替えです。

「これまで80〜90平米に住んでいた人が50〜60平米に住み替えるだけで、掃除がぐっと楽になります」と沖さん。

ここ数年、身の回りの生前整理などを行う「終活」という言葉が一般的になっています。もうほとんど使っていないけれどスペースがあるからしまっている。そうした不用品も、狭い部屋に引っ越すことで一気に処分できるかもしれません。

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