はじめに

“変化”の背景にあるもの

大浦編集長がこう指摘する背景にあるのが、求人数と転職希望者数の前年同月比での増減率です。

過去3年間のデータをひも解くと、転職希望者数の前年同月比での伸び率が求人数のそれを上回る状況が常態化していることがわかります。これまでは、転職希望者数の大幅な伸びを、求人数も2ケタの伸びを続ける中で吸収してきました。

しかし、転職希望者数の伸びが引き続き2ケタ台を維持する一方、求人数の伸び率は昨年秋頃から1ケタ台に低下。中途採用市場への供給のペースは衰えていないのに、需要の増加ペースには陰りが見えてきたというわけです。

加えて、求人数の前月比での増減率にも異変がみられます。これまでも単月でマイナスになることはありましたが、翌月にはプラスになっていました。ところが、昨年11月以降は3ヵ月連続でマイナスに。求人数の伸びが前月比でも頭打ちになっています。

転職市場の今後の見通しは?

大浦編集長によると、1月は新たに募集を始める企業は多かったものの、その増加幅は直近3ヵ月と比べると、やや落ち着いているといいます。また、年内で採用が終了したポジションもあったことから、求人数は微減になっているそうです。

その半面、4月までに転職先を決めようとして、1月から転職活動を始めた人が多くいたことから、転職希望者数は増加した格好です。

2月以降については、多くの企業が引き続き活発に中途採用を行っているため、求人数は過去最高水準を維持する見込みとのこと。ただし、来年度に予定していた一部の採用を2~3月に前倒しする動きも想定されるそうです。

今のところは引き続き活況を呈している転職市場。ですが、数年後に振り返ってみると、実は2018年の秋がターニングポイントだった、ということになる可能性もありそうです。

この記事の感想を教えてください。