はじめに
財形年金貯蓄がもっとお得に!会社からの利子補給
財形年金貯蓄は「60歳以降に年金として受け取るための積立貯蓄」です。財形制度は、事業主の会社と国が社員の資産作りの支援をする制度で正式には「勤労者財産形成促進制度」と言います。
貯蓄残高550万円(保険型商品の場合、払込額385万円)までが非課税となります。5年以上の積立と5年以上の受け取りなどルール以外の払い出しを行うと非課税措置はなくなります。ただし、災害などで住居に被害が出た時には非課税となるなどの特例もあります。
利用する際には諸々要件がありますが、以下1~3のすべてに当てはまる人には財形年金貯蓄の利用を積極的に検討してほしいと思います。
1.勤務先に財形年金貯蓄制度がある
2.満55歳以下
3.会社から利子補給がある
財形年金貯蓄のメリットは、利息が非課税になることです。現在の金利状況下では銀行預金の預貯金の金利と大差はないためメリットと感じられないかもしれません。
たとえば45歳から60歳までの15年間、年利0.1%で月額3万円の財形年金貯蓄を行った場合、60歳時点で元金540万円と利息40,830円になります。利息にかかる税金(20.315%)8,295円が非課税メリットです。
なお、「3.会社から利子補給がある」に該当する場合にはさらなるメリットがあります。一部の会社では福利厚生の一環として1%などの利子補給を行っているケースがあります。1%の利子補給があれば、前述と同様に月額3万円で15年間の貯蓄を行った場合、60歳時点で利息は470,970円で税金95,678円が非課税になります。
一般的に財形と聞くと銀行預金とほぼ変わりないと思ってしまうかもしれません。しかし、会社独自の利子補給がある場合にはとてもお得な制度ですので、ぜひいちど確認しておきましょう。
年金共済で生命保険料控除を利用した老後資金作りを
公的年金の補完として年金共済やねんきん共済についてご存じでしょうか?個人で加入するには全労済の個人年金共済(ねんきん共済)がありますが、現在新規加入の受付は停止となっています。しかし、調べてみると以下のように会社を通して加入できる制度があります。
•UAゼンセン(全国繊維化学食品流通サービス一般労働組合同盟)年金共済
•電機連合福祉共済センター ねんきん共済・悠々プラン
•情報産業労働組合連合会 ねんきん共済《ひろがり》
これらは団体保険であり、会社や組合、連合会など団体が契約者となりその団体に所属する社員が加入できる福利厚生を目的とした共済制度になります。
年金共済は、老後に受け取る年金積立制度です。加入する共済により掛金の金額や方法は異なり、基本的には毎月・半年などで積立を行います。積立金は全労済や生命保険会社で運用が行われ、60歳以降に年金形式や一括での受け取りをします。メリットは年利1.25%で運用されることです。
利率は将来変更となる可能性があるものの、逆に決算によっては配当が加算されることもあります。上記の3つの共済では今までは配当が出ています。
また、短期間で解約した場合に元本割れするリスクがありますが、加入する団体によっては元本保証を約束しています。受け取り時には、受け取り方により一時所得や雑所得として扱われます。
その他のメリットとしては、加入するプランによりますが、生命保険料控除があることです。現在、生命保険料控除を受けていない場合には、一般生命保険料控除や個人年金保険料控除が適用となるプランに加入すると所得税・住民税を軽減することができます。
このように、すべての会社ではありませんが、社員の老後に向けた資産作りをサポートする福利厚生制度があります。会社の制度については自ら情報を取りに行かなければ分からないこともあるかと思います。ぜひ自分の一番身近にあるお得な情報を確認しておきましょう。