はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、離婚して実家に戻った36歳の女性。実家を借家にするため、近いうちに家を出なければならない可能性があります。副業を合わせた月収は19万。この金額で家を借りて生活できるのでしょうか。FPのたけやきみこ氏がお答えします。

中小企業に勤めており、月収は手取りで17万円。三年前に離婚をして実家に戻りました。母は他界していて、父は別宅で暮らしているため、実家で一人暮らしをしています。そのため、現在の家賃はゼロですが、実家を借家にする話が出ており、近い将来、賃貸で暮らすことになるかもしれず、今の収入で生活できるのか不安です。賃貸で生活するためには、何を見直したらよいのでしょうか。


〈相談者プロフィール〉
・女性、36歳、バツイチ
・職業:会社員
・居住形態:実家(戸建て)
・手取りの世帯月収:17万円+副業2万円
・毎月の支出目安:18万円
・貯金:150万円
・投資:100万円


【支出の内訳】
・食費、交際費:4万円
・水道光熱費:1.2万円
・医療費:0.9万円(高血圧、婦人科)
・通信費:1.2万円
・車両費:1.8万円(車のローン、ガソリン代)
・習い事:0.3万円
・つみたてNISA:0.5万円
・農協年金:0.5万円
・個人年金保険:0.5万円
・ドル保険:0.8万円
・積立貯金:1万円
・ゆうちょ積立:2.5万円
・不明:3.8万円


たけや: 賃貸のための費用を捻出するために、どのように家計の見直しをすればよいかというご相談内容ですが、拝見したところ、散財されていることもなく、上手にやりくりされていらっしゃいます。あえてここを見直すというアドバイスは難しいですが、仮説を立てながら、今後の生活設計について助言させていただきます。

まずは不明とされる支出の解明を

現在の手取りの約3割が資産づくりのための支出です。積立や保険商品など複数に分散されています。目的別にされていらっしゃるのでしょうか。継続することがとても重要になりますので、がんばってください。

気になったのは、「不明」とある、いわゆる「使途不明金」です。19万円の手取り額に対して、この額はやや大きいと思われます。この不明部分が何に消費されているのか解明していきましょう。約4万円もの支出の正体を突き止められれば、見直しの糸口を見つけることができるかもしれません。

そのためには、家計簿を付けてみるか、面倒であれば、銀行口座から引き落とし分以外の金額をすべて引き出してしまい、食費や交際費などそれぞれの予算額を袋に入れて管理してみましょう。支出の内訳に毎月変動がなければ、不明となっている3.8万円は、袋分けの作業で余るはずです。そのまま「予備費」として持っておいてください。

現状の消費状況をうかがう限り、月内にその予備費からお金を引き出さないといけない機会が出てくると思われますので、その時にはきちんと使途を記録しておき、今後は毎月の支出として計上するか、無駄だと判断するなら次回は支出しないように我慢するか決めてください。

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