はじめに
「夫婦2人+子供1人」でも、7年後には赤字
ご両親のお言葉を信じますと、年金受給額が上がれば収支はトントンとのことですので、何も起こらなければなんとかやっていけます。ご両親の問題よりも考えなければならないことは、今の家族の収支についてです。
ご相談内容からだけでは分からなかったので、「ご主人も奥様も同い年、ずっと同じ収入が続く、お子さんがお1人、全部公立に進学するとして教育費は約784万円(最低価格)、60歳定年、65歳から年金受給」という条件でシミュレーションをしてみました。
そうすると、家計全体がマイナスになるのは7年後、ご相談者様が42歳のときです。今のご家族のことだけを考えても、このままでは赤字です。加えて、ご相談者様はもう一人お子さんを授かりたいとのこと。今の収入から考えると、厳しいと言わざるを得ません。根本的に家計を考えていかなければなりません。
「妻の働き方を変える」がもたらす3つのメリット
ここで、発想の転換をすることはできますか? 現在、ご相談者様はパートタイム勤務ということで、ご主人の扶養となっていますよね。「お義父様に働いてもらう」のではなく、「ご相談者様の働き方を変える」ことで、正社員(または第2号被保険者)として勤務されたらいかがでしょうか?
ご相談者様が正社員として働くことによるメリットは、3つあります。
まず1つ目は、ご両親と同居をなさるということだったので、ご両親にお子さんの面倒を見てもらうことができます。2つ目として、正社員として働くので、ご相談者様の収入を増やすことができます。3つ目として、それに伴い、将来受け取ることができる年金額を増やすことができます。
お義父様に働いてもらうこともいいのですが、「お子様をもう1人ほしい」とお考えであれば、ご相談者様が正社員として働き、確実に収入を増やすことをお考えになられた方がメリットが大きいように思えます。ご相談者様が、毎月20万円のお給料で34歳から60歳まで働いたとしたら、2人目を授かった場合でも、66歳まで家計の収支は黒字です。そのためには、ご主人も現在と同額の収入を継続して得る必要があります。未来が開けてきませんか?
ライフプランを家族で考える
これには、ご両親、ご主人も含め、家族全員の協力体制を作る必要があります。家族会議をして皆さんのご意見をお聞きしたらどうでしょうか?
お金の面で考えると、ご相談者様が正社員として働くことにより、家計は黒字化します。そうすることにより、「厚生年金」という“終身で受け取ることができる年金”がおまけについてくるのです。条件に従って簡単に計算すると、毎月20万円のお給料で34歳から65歳まで働いたとしたら、ご相談者様の厚生年金を年間40万円増やすことができます。90歳まで生きたとしたら、約1240万円多く受け取ることができます。すごいですよね。
今回はご不明な点が多く、仮定した条件で計算してキャッシュフローを作りましたので、かなり簡易的です。きちんとした数字をご希望であれば、ファイナンシャルプランナーにライフプランを作成してもらうのもいいですね。
ただ、ライフプランは単なる目安でしかありません。ご自分の人生ですから、「生き生きとていて楽しい人生を送るためには?」ということを念頭において決めていただくことが一番大切です。方法は色々あります。あきらめずにがんばってくださいね。