はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回の相談者は、3人子供を抱え、住居費以外の家計をすべて自身の収入で賄っている45歳の共働き主婦です。上の子が4月から私立高校に進学しすることで学費がかさみ、赤字に転落するといいます。家計を好転させるためには、夫の年収を把握することが大切だといいますが……。マネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のFPがお答えします。

上の子が公立中学を卒業して、春から私立高校に進学することになります。学費が今までより7万円以上増えます。これまでギリギリ黒字でやっていけていたのですが、いよいよ毎月赤字になります。働く時間が増えると、つい帰りのスーパーで買い物することでストレスを発散してしまいます。家計簿アプリを利用しているものの、見直すことはまったくありません。忙しい毎日の中で家計を改善させるためには、何に気をつけたらいいのでしょうか?


〈相談者プロフィール〉
・女性、45歳、既婚(夫:45歳、自営業)
・子供3人:高1、小6、小3(4月より)
・職業:公務員
・手取り世帯月収:44.5万円
(夫:13万円、妻:31.5万円)
※ 夫は売上にかかわらず、住宅費だけ支払う。
・手取り世帯年間ボーナス:135万円(妻のみ)
※ 夏休みの旅行・年末年始の帰省、子供の衣類、年払いの保険、固定資産税などで約2/3は使用。


【資産状況】
・預貯金:100万円(妻名義)、夫名義は不明
・有価証券:43万円(つみたてNISA)
・住宅ローン:残債2900万円


【4月からの支出の内訳(51.04万円)】
・住居費:13万円(管理費込み)
・保険:4.95万円(学資保険、医療保険)
・教育費:10.3万円(私立高校1人、公立小学校2人、習い事は水泳、公文)
・通信費:1.09万円
・食費:10万円
・水道光熱費:1.8万円
・日用品:0.8万円
・衣服・美容:2万円
・健康・医療:0.5万円
・交通費:0.3万円
・小遣い(妻):1.5万円
・使途不明金:1.8万円
・つみたてNISA:3万円


FP: ご相談ありがとうございます。miraitalkファイナンシャルプランナーの宮城です。お子さんが私立高校に進学したら、赤字家計になってしまうのですね。本来なら、進学が決まる前に支払いが可能かどうか見ておくべきでしたが、今から改善できる点を見ていきましょう。

月6.5万の赤字、貯蓄も不十分

せっかく家計簿アプリを利用していたのに、支出の把握をしていなかったのですね。アプリは自動で記録されているという安心感から、支出状況を振り返らないという人が多いようです。ですが、家計簿アプリのデータを活用するためには支出を振り返ることが大切です。自動だからと放置せず、確認していく習慣を作るようにしましょう。毎週土曜日にはアプリの内容をパソコンで確認してみるとか、その程度でよいので、ルール化できるとよいですね。

さて、お子さんが私立の高校に行くようになったから急に赤字というのは、ちょっと困りましたね。貯蓄も十分にできていないようですし、まだ下にお子さんが2人いらっしゃいます。どんどん教育費が必要になるでしょうから、まずは支払いが可能な基盤を作ることが大切です。そのためには、毎月の家計を黒字にして貯めていくこと、ボーナスもできるだけ貯めていくことが必要になります。

支出については、食費、保険、衣服・美容など、少しずつ下げたいものです。共働きで忙しいご家庭は食費が多くなりがちです。今後、教育費が増えていくことを考えると、現状の支出を維持していくことはかなり大変になると思います。今のうちから工夫できる部分を意識して減らすように考えてみるとよいでしょう。

そうはいっても、コントロールは難しいものです。食費や日用品代などの変動費については1週間で予算を組んでいくと、管理がしやすくなります。1週間の予算を1.5万円としたら、毎週の決まった曜日、たとえば月曜日などにお財布にその金額を入れ、暮らします。1週間後の同じ曜日にリセットし、新しい予算を入れるのですが、前の1週間で予算オーバーしてしまったら、新しくセットする週の予算からオーバー分を差し引くなどして調整します。慣れてくると、1週間でいくら減るのか、お金の減るスピードが分かるようになり、「今週は使いすぎている」「今週はよい調子」など感じ、コントロールしようとする気持ちが出てきます。家計簿が苦手な人向けのやりくりですが、一度お試しいただければと思います。

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