はじめに
本当は為替リスクは取らない方がいいのだが…
それでは、どの投資信託を選べばいいのでしょうか。これも答えはありませんが、あくまで長期で保有する前提でみると、日本株よりは米国株の方がいいのかもしれません。株価指数(インデックス)でいえば、日経平均やTOPIXよりも、NYダウやS&P500の方がいいということです。これは長期間のチャートを見れば一目瞭然ですが、どの株価指数も常に上下に動いているものの、米国の株価指数は長期では右肩上がりの実績があります。日本の株価指数はアベノミクスでここ数年は右肩上がりでしたが、この先は米国ほど実績がないので、どうなっていくかは不透明でしょう。当然、どちらか選ばないといけないわけではないので、日本と米国で地域分散する視点から両方を買ってもいいのです。
ただし、米国株を含む外国株への投資は、株式の価格変動だけでなく為替変動のリスクも同時に負うということは認識しておきましょう。
投資に対する自分のスタンスを明確にする
さて、投資スタイルは十人十色ですが、最初は投資信託をうまく活用して、低コストで長期分散投資を実践した方がいいのではないか、と書いてきました。ここから先は将来の話です。何年か資産運用の経験を重ねていくと、やはりあなたにも投資スタイルというものが確立されてくるはずです。冒頭で述べた通り、正解はありません。
銀行に預けていてもほとんど金利もつかないので、資産運用として適当な投資信託を毎月定額積み立てていくだけでいい、と考える人もいれば、多少損失を出す可能性があっても、授業料として受け入れるので、投資資産の一部をアクティブに運用してみる人も出てくるでしょう。筆者は投資を通じて金融、経済、政治などを勉強することが好きなので、どちらかというと後者に属しますが、このスタイルが絶対に正しいとは思っていません。ただ、自分のスタイルはコレだと明言することはできます。
自分の時間をどれぐらい資産運用に使うのか、資産運用に何を求めるのか。この辺りを経験を重ねていくうちに明確にしていくことが、ブレない自分のスタイルをつくるうえでポイントになると思います。市況は常に変化していきますが、それに惑わされることのない自分のスタイルを確立していきましょう。