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「4月、5月、6月の残業が損」は本当?誤解と見直された制度

給与が大きく変わった場合の保険料は

4月ごろに話題となるのが、残業代の話。

4月、5月、6月の残業が多く給与が高くなると、健康保険料や厚生年金保険料が高くなり、手取りがぐんと減ってしまうので、あまり残業しないようにしましょうというものです。

はたして本当に損なのでしようか? また、2018年の10月から保険料決定の制度も一部見直されています。今回は、細かい数字や専門用語はとりあえず横におき、制度のあらましと見直された点、そして「誤解」は何かについてお伝えしましょう。


何が給与から天引きされるの?

給与から天引きされているものは何でしょうか。

■所得税
■住民税
■健康保険料・厚生年金保険料
■雇用保険料

これらは、基本的に給与所得者なら全員給与から天引きされるもので、法律で決められた天引き項目です。これ以外にそれぞれの会社独自の親睦会費や、社宅料などが天引きされていることもあります。

天引きされるものは税金と保険料

■所得税
これから1年間の給与にかかる所得税を12分割して前払いするのが源泉所得税です。源泉所得税は毎月の給与の金額によって変動し、その月の残業代が多ければたくさん徴収されます。見込額で天引きされていますので最終的には年末調整で所得税を正しく計算し直します。

■住民税
住民税は去年1年間の給与に対して計算された住民税を、今年の6月から来年の5月までの12ヵ月で分割して天引きされるもので、後払いの税金です。したがって、今月の残業代が多いか少ないかは全く関係せず、1年間同じ額が徴収されます。去年の所得に対するものなので、新卒の新入社員の初年度は住民税がかかりません。

■雇用保険料
雇用保険料は将来の失業などに備えるための保険料ですが、これは毎月の給与に連動して金額が変わります。

■健康保険料・厚生年金保険料
健康保険は、病気やけが、入院をしてしまった場合、病院窓口で治療費が3割で済むための保険、厚生年金保険は65歳から終身受け取る年金のための保険です。健康保険料・厚生年金保険料は、4月、5月、6月の3か月間に支給された給与の平均額で、天引きされる額が決まり、今年10月分の給与から1年間は同額です。

4月、5月、6月に「支給される給与」で決まりますので、多くの会社の給与計算の締め日からいえば、3月、4月、5月分の残業代がそれぞれ翌月の4月、5月、6月の給与の支給額に反映します。

厳密にいえば「3月、4月、5月の残業が損」という言い方になります。たとえば、会社の経理をされている方は、3月は決算月で5月は法人税の申告ですから、3月、4月、5月の残業が多く、4月、5月、6月の給与が大きくなってしまう典型例です。

給与と徴収額がかけ離れるかもしれない健康保険・厚生年金保険

給与からの天引き項目のうち、実際の給与と徴収額がかけ離れてしまうことが考えられるのは、健康保険料・厚生年金保険料です。

なぜならば、先ほどの経理職員の例でいえば、3月、4月、5月の残業は多いにもかかわらず、そのほかの月は全く残業がなかったとしましょう。それでも、残業代を反映した高い給与を基準とした保険料で、1年間の天引き額が固定されてしまうのです。

この計算の際の給与には、基本給や家族手当、住宅手当、役職手当、通勤定期などの固定給的なものの他に、残業代、歩合給、宿直手当などの非固定的な給与も含まれて決まり、これを「標準報酬月額」といいます。この用語だけはここで押さえておいてください。

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