はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ。

今回は、マネーフォワードから生まれたお金の相談窓口『mirai talk』のもとへ実際に家計相談に訪れた方のお悩みをご紹介します。相談者は、毎月9万円の保険料を支払っているという40代の男性。保険料が家計を圧迫しているといといいますが、支出をよく確認すると赤字の原因はそれだけではないようです。

(※相談者の了承を得た上で掲載しています)


月9万の保険料、離婚後の家計を圧迫

無料の家計改善セミナーを受け、「離婚をして1人で暮らすようになってからのやりくりが難しい」と実感した男性会社員のJさん(47)が、家計診断を受けに来られました。毎月の保険料が高いと感じているため、保険についての細かな相談も希望です。

保険は離婚を想定していない時に、「夫婦二人の稼ぎがあれば支払っていける」と考え、外貨建て、いわゆる貯蓄型と呼ばれる保険に入りました。毎月の保険料は約7万円ほど。他に医療保険も入っており、毎月の保険料は総額9万円を超えています。

この金額を、毎月手取り30万円ほどの中から支払っているのですから、やりくりを難しく感じても無理はありません。収入の約3分の1が保険料です。幾度となく、この高額な保険を保持し続けることを悩んだそうですが、保険会社に相談するたびに「貯蓄になっているだけではなく、外貨建てで投資にもなっている」と言われてきました。世風は投資を勧めるようになっているし、今やっていることが投資であるのなら、やめる必要はないのかもしれないと思い、そのままにしてきてしまったそうです。

支出内容は不明、家計簿アプリは放置

この保険料もそうですが、支出状況をお伺いすると支出の全体像が把握できておらず、無駄な支出がまだ隠れていそうです。支出全体を把握し、必要な支出、そうではない支出をきちんと見極めていくことが、Jさんの家計改善の一番の近道となりそうです。まずは支出の記録をすることから始めました。

もともと、家計簿アプリを使っていましたが、登録したまま放置している状態です。このままではせっかくの記録を生かすことができないため、アプリを継続するか、いっそ手書きの管理に変えるかを検討しました。ですが、主にクレジットカードや電子決済を利用しているので、できるだけ簡単に記録ができる方がよいということで、家計簿アプリを活用していくことにしました。

ただ、今までと同様の使い方では改善が見込めないため、アプリを開いたときに状況が把握できるよう、口座や支払いに使うクレジットカード、電子マネーなどを家計簿と連携できるものに統一し、もれなく記録することに取り組みました。やむなく現金払いをするときだけ手間がかかりますが、手入力もしくはレシートの撮影をしていただきます。

赤字のもう1つの原因は月7万円の自己投資

このように整えたうえで記録をつけ、1ヵ月ほどが経過すると、支出状況がおおむね見えてきました。保険料についてはご本人の話通りでしたが、他にも改善可能な部分が見えてきました。

家計収支表1

まず、将来に向け収入増をねらいたいと考えており、英会話やスポーツジム、資格試験に向けたセミナーや講座受講などにかける費用が月に7万円弱と高額です。保険と合わせると月の手取り収入の半分を占めています。生活費のやりくりが上手くいかないと感じるのは、主にこの2つの支出によるものだということがよくわかりました。

自己投資に期待した支出が多いのですが、現状のままでは毎月赤字ですし、ボーナスで補填しなければ貯蓄を切り崩していく生活になってしまいます。この保険と自己投資の2つを中心に支出の削減を試みることができれば、Jさんの家計はずっと良くなるはずです。

保険料を払いすぎていませんか? お金のプロがあなたにあった保険を診断[by MoneyForward]