はじめに

どんな住宅を選べばよいのか

非課税制度の適用を受けるためには、対象となる住宅にも条件があります。

主なものとして、登記簿上の床面積が50㎡以上240㎡以下であること。中古住宅を購入する場合は、築20年以内(鉄筋コンクリートなどの耐火建築物の場合、築25年以内)のものであること。中古住宅の場合は、一定の耐震基準を満たすことなども必要です。

より多くの非課税枠を利用するためには、省エネ等住宅を選ぶ必要があります。これは断熱性能や耐震性能などで一定の基準を満たしていることを、証明してもらわなければなりません。購入する住宅が省エネ等住宅に該当するか、住宅メーカーや不動産会社の方に詳しく説明してもらうとよいでしょう。

この住宅取得等資金の非課税制度、平成21年から平成26年までに適用を受けたことがある人は、再び非課税制度の恩恵を受けることはできません。また、合計所得金額が2,000万円以上ある高所得者も、適用を受けることができません。親からの資金援助が「本当に必要」な人のための制度と言えそうです。

相続時精算課税はお得?

そして、1,200万円の贈与では、まだまだ資金不足という方に朗報です。

平成28年1月1日時点で60歳以上となる両親や祖父母から資金援助を受ける場合には、「相続時精算課税」の適用を受けることもできます(平成33年までは、一定の要件を満たせば60歳未満でも選択可能)。住宅取得等資金の非課税限度枠に加えて2,500万円の贈与まで税金がかからないため、より多くの資金援助を受けたい場合にはお得な制度と言えそうです。

両親や祖父母が亡くなって実際の相続が発生する際に、相続税の「精算」が行われることになります。住宅取得等資金の非課税限度額を超える部分に関しては、相続のときに税金が発生してしまうこともあります。

一度この制度の適用を受けると、それ以降は「暦年課税」に戻せないため、該当者からの贈与には毎年使えたはずの基礎控除110万円が使えなくなってしまいます。2,500万円以上の贈与を受ける場合でも、一律20%の贈与税ですみ、支払った贈与税は相続のときに精算されることになります。今すぐ多額の住宅取得資金を援助してほしい、というときには使い勝手のよい制度とい言えるでしょう。

親からお金を融通してもらっただけなのに、税金がかかるなんて少し理不尽な気もしますね。とはいえ、贈与してくれる親がいるというのは、うらやましい限りです。親から資金援助が得られる際は、できるだけ税金がかからないようにうまく活用して、すてきなマイホームを手に入れてください。

贈与税の申告は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までとなっています。

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