はじめに
家計改善に必要な4つの視点「ECRS」とは?
家計見直しの項目候補が決まったら、次はどのように具体的に見直していくかですが、ここでは、ビジネスの現場で用いられる改善の手法(発想法)を家計に応用します。
1.Eliminate(排除)
家計の支出を見直し、ムダはないか、ムダがあればそれをやめることで支出を抑えるという視点です。あるいは、ムダではないけれども必要でないものをやめてみる、回数を減らすという視点も含まれます。
例) たばこをやめる、外食を減らす、菓子類の購入を減らす、不要な定期購読をやめる、不要な年会費の必要なサービスをやめる
2.Combine(結合と分離)
今まで支出している項目を統合したり、結合したりすることで支出を抑えるという視点です。個々に契約しているものを統一したり、まとめ買いをしたりすることなども含まれます。
例) 通信費を家族割にする、NHKの視聴料を年払いにする
3.Rearrange(入替えと代替)
今までの支出項目を別の方法に変えてみるといった視点です。同じ目的を達成するために別の手段はないか考えてみると新しいアイデアが生まれます。
例) 引っ越しをする、外食を中食に変える、スポーツジムをジョギングに変える、電力・ガス自由化で契約先を変える、買わずに借りる
4.Simplify(簡素化)
最近のサービスは、顧客の細かいニーズに応えられるようにさまざまなオプション(付加機能)がついているものがあります。それらのオプションなどをすべて取り払い、簡単に単純なものにするという視点です。
例) 保険の不要な特約を見直す、スマホのオプションを取り除きシンプルにする
思い切って「食費を2万円削減!」のように決めてしまいたいところですが、よほど贅沢な食生活でない限り、毎月の食費を2万円削減することは並大抵ではありません。そこで、先に挙げた家計見直しの項目候補に改善の4つの視点「ECRS」を当てはめて、見直し可能な金額を積み上げていき、節約目標の2万円を達成させます。絵に描いた餅にならないように、実現可能なものを優先させます。
相談者様の具体的な支出内容は不明なので、あくまでも想定になりますが、例えば、通信費の契約見直しで1.8万円から1.2万円に0.6万円削減、保険の見直しで1.5万円から1万円に0.5万円削減、習い事の見直しで教育費が3万円から2.7万円に0.3万円削減のように、固定費を中心に削減額を決めていきます。固定費で1.4万円の削減が可能で、これに少し細かいですが、電力・ガスの契約先変更のシミュレーションで毎月0.1万円程度の節約が見込まれるので、残りの0.5万円を食費の削減目標とし、食費の予算を6万円にするというように決めていきます。
このように進めていけば、我慢して節約する分は食費1ヵ月0.5万円、1日に換算すると167円になります。これならなんとか実現できそうですね。
夫婦の話し合いで家計改善の実現力を高める
家計の見直しは夫婦でしっかり話し合うことが大切です。家計改善の視点も1人で考えるよりも2人で考えた方がアイデアはたくさん出てきます。また、話し合うことで夫婦が協力して節約目標を達成するという意識合わせもでき、実現力が高まります。値上げラッシュと10月の消費税アップを2人でがんばって乗り切りましょう。