はじめに
ゴールデンウィークに入り、本格的に日差しの強い日が増えてきました。お出かけやレジャーの計画が目白押しの人も多いこの季節、商品が多すぎて選べず、途方に暮れるのが日焼け止めです。
自分に合う商品をどうやって選べばよいのでしょうか。カネボウ化粧品で日焼け止め「ALLIE(アリィー)」を担当する梶直美さんに、選び方のコツを聞きました。
日焼け止めの数字は何を表している?
日焼け止めを選ぶ時、まずチェックしたいのは紫外線を防護する力。太陽から地上に到達する紫外線(UV)には、「UVB」(B波)という波長の短いものと、「UVA」(A波)という波長の長いものがあります。
昔からよく聞く「SPF」は「サン・プロテクション・ファクター」の略で、B波を防ぐ国際的な紫外線防護の基準。B波は肌に炎症を起こし、メラニン色素を作ってシミやそばかすの原因のひとつとされます。
SPFの値は、何も塗らない場合に比べ、B波による炎症を何倍の時間防げるかを示します。かつて、「SPF100」「SPF120」など高い数値を売りにする商品もありましたが、現在はSPF50が表示上の最高値だそう。50+は「50以上」という意味です。
一方、PAはA波を防ぐ値です。A波は長期的な肌の老化を招き、しわや弾力低下をもたらすそうです。これを防ぐPAは、「++++」が最高の値で、+の数が多いほど防護効果が高いことを示します。
梶さんは「絶対にやけたくない人はSPF50+、PA++++を選べば安心です。そこまでは求めないから美容成分や保湿力がほしいという方は、もっと軽いものでいい」と話します。
効果を長持ちさせるには?
しっかり日焼け止めを塗ったのに焼けた、という経験がある人も多いはず。日焼け止めは、汗をかいたり、服やバッグとこすれたりすることで落ちます。同社の実験では、日焼け止めの肌への残存率は、汗と摩擦のせいで7時間後に38.5%まで下がるそうです。
どんなに防護力が高くても、落ちてしまえば意味がありません。そこで注目すべきは、落ちにくさです。
水に強い「ウォータープルーフ」は以前からありますが、こすれや摩擦にも強い「フリクションプルーフ」という機能を、同社は昨年から一部商品に加えたそうです。追随する他社も出ており、「摩擦への強さ」は今年のキーワードになりそう。
「顔の汗をハンカチで抑えるなど、日々の生活のこすれや摩擦で日焼け止めは落ちています。落ちにくいものを選ぶとともに、2、3時間を目安に十分な量をこまめに塗りなおしてほしい」(梶さん)