生活

繰り上げ返済か貯蓄か?シングルマザーが陥りやすい家計の落とし穴

FPの家計相談シリーズ

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナーが答えるFPの家計相談シリーズ

今回の相談者は、2つのローン返済と貯蓄の優先順位に悩んでいる42歳のシングルマザー。学資保険に加入しているものの、この先の教育費と老後資金にも不安があるといいます。FPの黒田尚子氏がお答えします。

シングルマザーですが、養育費はもらっていません。車のローン、住宅ローンの返済を抱えているので、貯蓄と返済の優先順位を教えていただきたいです。自動車ローンは、そのうち1割が利子なので、繰り上げ返済しようか迷っています。車は買ってちょうど1年になりました。


息子の学資保険は、月3万円を10年払込みで、今年の8月に支払いが終わります。17歳で420万円もらえる予定です。払い終えても、このまま同じ金額を貯蓄に回したいと思っていますが、準備して足りない分は奨学金を借りる予定です。老後に支給される予定の年金が10万円ほどしかないため、子供が大きくなったら今の家(3LDK)を借家にすることも検討しています。赤字になってしまった月は、ボーナスと児童手当等で賄っています。これを機に、教育費と老後資金の積み立てもがんばりたいと思っています。


〈相談者プロフィール〉
・女性、42歳、バツイチ、子供1人(小4)
・職業:会社員
・居住形態:持ち家(戸建て)
・手取りの世帯月収:22万円
・手取り年間ボーナス:40万円
・毎月の支出目安:20万円
・預貯金:50万円
・負債(住宅ローン):1400万円


【支出の内訳(約21万円)】
・住宅ローン:4.6万円
(残18年、ボーナス払いなし)
・自動車ローン:2.2万円(残4年)
・教育費:1.6万円(習い事代)
・通信費:1万円(携帯2台、タブレット)
・保険:5.77万円
(終身1.44万円、学資保険3万円、がん保険0.33万円、火災保険0.15万円、息子保険0.1万円、医療保険0.35万円、住宅ローン用死亡保険0.15万円、死亡保険0.25万円)
・光熱費:1万円
・食費:2万円
・美容費:1万円
・ガソリン等:0.5万円
・その他:1万円
・固定資産税:年間9万円
・自動車保険:年間2.8万円


黒田: 家計の状況を拝見させていただきましたが、とても良く考えて、しっかりやっておられるという印象です。離婚されても、養育費などはもらっていないとのことですので、ご自分一人の力でお子さんを育てあげようという気構えが伝わってくるような家計だと感じました。

ご相談内容である、貯蓄と住宅ローン・車のローン等の返済の優先順位についてですが、返済はこのまま継続し、今は、貯蓄の方を優先させた方が良いのでは、と思います。貯蓄の金利の低さに比べて、ローン金利の高さが気になるお気持ちもよく分かります。でも一方で、ご相談者さんに何かあった場合の預貯金額も気になるからです。

もちろん、決めるのは、ご本人の考え方や今後の状況次第。まずは、このようにおすすめする理由をご説明しますので、しっかり納得した上で、どのようにすべきか最善の方法をお選びください。

“繰り上げ返済貧乏”に要注意!今は貯蓄を優先して

まずは、返済についてです。基本的に繰上げ返済は、(1)金利の高いもの、(2)返済期間が長いもの、(3)借入残高が多いものから優先的に行います。

上記(2)(3)の観点からみると、おそらく住宅ローンを返済した方が有利だと思われますが、元々住宅ローンは、中長期でコツコツ返済するもの。繰上げ返済のし過ぎで、手元に必要なお金がなくなってしまい、イザという時に困ったという“繰上げ返済貧乏”にはくれぐれも要注意です。

ご相談者の場合、完済年齢は定年前の60歳まで。手取り月収に占める返済率も約21%ですので、ほぼ適正範囲ではないかと思われます。一方、現在の貯蓄額は50万円。できれば、病気やケガなど、イザという時のための資金として、生活費の3ヵ月分から半年分くらいは、緊急用資金として確保しておきたいところです。

例えば、ご相談者の生活費が約20万円なのであれば、緊急用資金の目安は60~120万円となります。現在の貯蓄額からすると、ちょっとギリギリかなと。ですから、このお金を住宅ローンや自動車ローンの繰上げ返済に回すのは若干心配です。住宅ローンの団体信用生命保険にも加入済みで、万が一の返済の保障もきちんと確保されているのであれば、返済よりも貯蓄を優先させてはいかがでしょうか?

Share to facebook.Share to twitter.Share to line.Share to hatena.

あなたにオススメ