はじめに

貸与型奨学金は安易に借りず、慎重に検討を

また、貯蓄についてです。現在のご相談者のライフプランから、主な貯蓄目的は、お子さんの教育費とご自身の老後資金でしょうか。

お子さんの教育資金としては、加入済みの学資保険から17歳で420万円が受け取れるとのこと。高校まで公立であれば、大学進学を前提としても、目標額は300~500万円(文系・理系・医科歯科・専門学校、私立・国立、自宅・自宅外通学など進路によって異なる)が目安ですので、ほぼクリアできているのではと思われます。

そして、不足分は奨学金でまかなう予定とのことですが、貸与型奨学金は、親が借りて子どもが返すもの。進路なども含め、その点をお子さんとよく話し合っておかれることをおすすめします。というのも、貸与型奨学金を、返済金額や詳細についてよく理解せず、親の言いなりに借りて、社会人になって返済に困り、就職や結婚に支障が出たという方が少なくないからです。

もちろん、奨学金は返済不要の給付型を利用することもできますので、お子さんが中学校に進学して、ある程度、進路が見えてきてから再検討・確認してみてはいかがでしょうか?

老後の蓄えは「つみたてNISA」で賢くつくる

そして、もう一つの大きな貯蓄目的である老後資金についてです。

仮に、リタイア後の毎月の生活費の不足分(最低生活費-年金額)が5万円だとすると、年間60万円×20年間=1200万円になります。これ以外に、老後のイベントにかかる費用は、子供の結婚援助資金(100~300万円)や自宅のリフォーム(50~200万円)、車の買い替え(200万円)、葬儀費用(100~200万円)などが挙げられます。

ご相談者の場合、お子さんに対する援助資金がなくとも、最低限、ご自分の医療・介護などの費用は用意しておきたいところですので、これを200万円計上して、前述の生活費の不足分と合わせて合計1500万円を準備すると仮定すると、これを65歳までの23年間で貯める必要があります。その準備必要額は、年額65万円、月額5.4万円です。

今年の8月に学資保険の保険料3万円の支払いが終了するのであれば、それをそのまま貯蓄に回し、それ以外に積み立てる分を2.4万円確保する必要があります。

老後資金を積み立てるのにおすすめなのは、2018年1月からスタートしている「つみたてNISA」です。つみたてNISAは、投資した年から最長20年間の収益等に税金がかかりません。非課税期間が最長5年間である従来のNISAと比べると、長期の非課税期間が設けられています。通常、金融商品にかかる税金は20%(所得税15%、住民税5%)です(加えて、平成25年から25年間は復興特別所得税がその年の基準所得税額に対し2.1%加算)。

年間投資枠の上限は40万円と通常のNISA(上限120万円)より少ないですが、対象商品は、あらかじめ手数料が割安で、分配金の支払い頻度が多くないなど、長期の積立や分散投資に適した一定の公募株式投資信託と上場株式投資信託(ETF)に限定されており、老後資金など、コツコツと中長期で投資するビギナーの方向きとなっています。

いずれにせよ、シングルマザーにとって自分の老後資金の確保は重要な課題。子育てに全力を使い切ってしまって、老後の蓄えはスッカラカン。なんてことにならないように、公的年金を補完する方法を考えることが大切です。

シングルマザー世帯は、公的制度の活用も重要

また、シングルマザー世帯にとって、公的制度や助成制度をいかに活用するかもポイントです。

母子家庭限定の制度ばかりではありませんが、条件や所得制限など、それぞれ要件を満たせば利用できます。自治体によっては、公共料金等の割引や税金の軽減、公営住宅への優先入居や家事援助や保育など生活支援としてのヘルパー派遣、各種相談窓口の設置などさまざまなものが用意されていますので、賢く情報を収集し、利用できないか諦めずに相談してみてください。

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