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立川に誕生した「未来の駅カフェ」を体験してみた

日本郵便、JR東、タリーズがタッグ

人生設計の相談にも乗ってくれる

施設右奥の突き当たりには、「JP金融ラボ」と書かれたコンサルティングブースが並んでいます。こちらは、日本郵便が運営する金融特化型店舗の1号店。投資信託や生命保険など、郵便局で取り扱っている各種の金融商品について、相談や契約ができます。

金融ラボ
JP金融ラボでは専門知識を持つ郵便局員が土日祝日も対応

「ラボ」という名前には、「ライフイベントや人生設計に関する情報を提供して、お客様に研究してもらう。その結果に応じて、金融商品を選んでいただく」(日本郵便の事業担当者)という意味が込められています。

金融に関する専門知識を持つ郵便局員が2人常駐し、来店客のお金や人生設計に関する相談に対し、土日祝日も対応してくれます。前述のシェアオフィスと同様、事前にWebサイトで予約すれば、待ち時間なく相談可能です。

シェアオフィスにはタリーズで購入した飲み物を持ち込むことが可能。パーソナルなカフェスペースとしてだけでなく、JP金融ラボの個室相談ブースとしても利用できます。

都市型“未来の駅”構想の第1弾

このJJ+Tは、日本郵便とJR東日本、タリーズの3社が連携して開業した施設です。

2018年6月に日本郵便とJR東が締結した「地域・社会の活性化に関する協定」の一環として、計画がスタート。そこに、2016年12月からエキュート立川で営業し、「地域社会に根ざしたコミュニティーカフェとなる」を経営理念に掲げるタリーズが加わり、今回の開業に至りました。

JR東では、2018年7月に策定した経営ビジョン「変革2027」において、駅を「重層的で“リアル”なネットワークと交流の拠点」として定義。「今まで以上に社会的ニーズを取り込んで、新たなサービス、新たな価値を提供できる空間になるような駅空間を作っていく」(同社の喜㔟陽一常務)方針です。

今回のJJ+Tはいわば、そんな“未来の駅”構想における都市型業態の第1弾。「立川駅を利用するお客様はもとより、地域から愛され、駅が便利になったと言っていただける空間にしていきたい」と、喜㔟常務は意気込みます。

日本郵便とJR東の協定に基づく連携施策は、都市部以外でも進行中。地方部では、郵便局の駅舎内への移転も含めて、郵便窓口業務と駅窓口業務の一体運営を検討しています。

また、物流面では、郵便局のネットワークによって集荷した地方の農産物を、新幹線で東京まで運ぶ取り組みが進行中。そのほかにも、観光振興の面でも幅広い検討を進めています。

旗印の裏で三社三様の思惑も

一方、JR東としてはJJ+Tと並行する形で、同施設で導入したようなシェアオフィスを、2020年までに首都圏で30ヵ所をメドに展開していく計画を描いています。これまでに東京駅、新宿駅、品川駅で実証実験を実施しており、今回の立川では郊外の中核駅での利用状況を把握したい考えです。

テープカット
テープカットに臨む、日本郵便の大澤副社長(左から3人目)、JR東の喜㔟常務(同4人目)、タリーズの小林義雄社長(同5人目)

また、日本郵便としては、中核の郵便事業の先行きを楽観できない中、郵便局のネットワークを最大限活用した金融窓口事業の拡大は最重要施策の1つ。「事業の持続的な発展という観点から、『貯蓄から資産形成へ』の担い手として新しい店舗を実現していきたい」(大澤誠副社長)。立川の利用状況を踏まえて、多店舗化を見据えます。

他方、タリーズとしては、利用客が長時間、金融相談で話し込むことによって、店舗での飲料販売の増加が見込まれます。また、「今までタリーズを使ったことがなかった相談客の方が、新規にタリーズのお客様になっていただくこともあると思う」(広報担当者)と期待を寄せます。

「地域・社会の活性化」という旗印の下、三社三様の思惑を秘めて出発した“未来の駅カフェ”。この先、どんな軌道を歩んでいくのか。少子高齢化が進む中での駅と郵便局のあり方として、興味深い事例となりそうです。

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