中小企業庁が毎年公表する「小規模企業者白書 2019年版」によると、農林漁業以外の仕事を副業として経営を行う者(副業経営者)は2007年以降増加。これから副業を起業する希望者と準備者ともに、同年以降増加傾向にあります。また、副業経営者の年齢層の割合では、39歳以下と60歳以上が増加しています。

今後も幅広い年齢層で、副業経営者が増えていくことが予想されます。そんな状況のなか、前回の記事では、副業経営者の準備段階で気を付けるべきことを主に取り上げました。2回目になる今回は、副業経営者として会社設立を決めた段階の人向けに、どの組織形態を選べばよいのか(株式会社か合同会社か)、そして会社を設立する際の手続きについてみていきたいと思います。


グーグルやアップル、アマゾンも選ぶ、合同会社とは?

会社を設立しようと考えた場合、最初に思いつくのは「株式会社」という会社形態だと思います。東京商工リサーチのデータによれば、2016年度の新規設立法人のうち、約7割は株式会社となっています。次に多いのは、「合同会社」で約2割を占めています。

合同会社は、2006年に会社法により新しく設立できるようになった会社形態です。あまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、海外では比較的メジャーな会社形態であり、アップルやアマゾン、グーグル、西友などの日本法人は、いずれも合同会社という会社形態をとっています。

合同会社は、株式会社と同じように、出資した金額を限度とする有限責任制をとっており、営利を目的とした会社であるという点ではよく似ています。同じ営利法人なので、儲けに対してかけられる税金も同じになります。

合同会社と株式会社の違いは何?

では、株式会社と何が違うかというと、株式会社は不特定多数の人が株主として参加することを想定した組織であるのに対して、合同会社は身内の間で比較的融通を利かせた機動的な経営を行う小規模な会社を想定した組織です。

したがって、合同会社は株式会社に比べて設立時の費用が安くなります。また、合同会社は役員も基本的に変わらないことが前提なので、株式会社に存在している役員の任期がなく、法務局に払う登記費用がかかりません。つまり、初期費用だけでなく、ランニングコストも安く抑えられます。

その代わり、合同会社は上場することができません。合同会社を設立した後に株式会社に変更することは可能ですが、数年後に上場を見込んでいる場合ははじめから株式会社にしておいた方が無難でしょう。

副業経営者として会社を設立するなら、上場するかどうかは経営をしてから考えたいという場合も多いのではないでしょうか。そうであれば、将来的な組織変更を視野に入れながら、まずは合同会社で設立しておくという方がコストを抑えられるのでおすすめです。

合同会社の設立は近年では増加傾向にあります。認知度が上がりつつありますので、合同会社の設立を検討してみてはいかがでしょうか。