はじめに
地雷2 土足でプライバシーに踏み込む
人にはそれぞれ「ここからは私のプライバシーだ」と考える範囲があります。「誰にでも何でも話せる」というオープンな人もいますが、職場では「プライベートなことは一切話したくない」というポリシーの人もいます。
居心地よく雑談を楽しむには、「求める距離感が人によって違う」という認識が重要です。
マズイのは、
「自分はここまで話したんだから、そちらも言えって」
「これくらい聞くのは当然でしょ」
と自分のプライバシー観を人に押しつけてしまうことです。土足でプライバシーに踏み込んではならないのです。
いきなり立ち入った質問をするのは避け、他愛のないことを質問しながら、その人の求める間合いを探りましょう。そして、質問するときには、
「言いたくなかったら言わなくて大丈夫だから」
「言える範囲で大丈夫なんだけど」
などと、相手のプライバシーに配慮する姿勢を忘れないようにしてください。
地雷3 下品な悪口
悪口は時に雑談を盛り上げるスパイスにもなるのですが、自身の評判を下げたり、人間関係の悪化につながったりすることも……。悪口があまり下品にならないよう、注意したいことをまとめました。
■人と出来事を切り離す
「人柄はいいのにこの点は惜しい」「あの部分だけ直せばいいのにもったいない」という語り方をして、攻撃的な印象になるのを避けましょう。
■別のコミュニティで愚痴を言う
会社の愚痴は友人に言い、大学時代の友人の愚痴は中学時代の友人に言う、というように、悪口をこぼす先をずらすようにします。
■自分の欠点・落ち度も語る
「私も忙しいときに話しかけられると、ちょっとイライラするけれど、さすがに課長の『君の相手をしている時間はない』っていう言い方はないわー」
「たしかに、会議の直前で声をかけたのは悪かったけれど、『君の相手をしている時間はない』っていう言い方はひどいと思った」
というように、自分の側にも欠点・落ち度がある、として語るほうが、バランスの取れた人物に見えます。
■解決すべき課題として言う
「部長って結構、キツい言い方のときあるよね」
これだけで終われば、単なる悪口です。でも、それに続けて、
「後輩から見れば、自分もああいう風にキツい言い方になっているときがあるかもしれないな。こういうのってパワハラって言われかねないし、どうしたらやめられるかな」
「どういうときに話しかければ、怒られにくいか、知ってる?」
と、解決策の議論・相談をする方向に持っていくことで、建設的な会話になります。
■共通の敵にする
単にある個人の悪口として語らず、少し対象を広げることで、聞き手にとっても共感しやすい話になることがあります。例えば「山田部長、すぐ意見変わりすぎ!」とせずに、「どうして、上の人って判断をすぐに変えがちなんだろう」という言い方にするのです。