はじめに

それでも、地雷を踏んでしまったら……

「あっ、ミスった!」――会話で地雷を踏んでしまったとき、1番大事なことは、とりあえず雑談を継続させることです。話題を切り替えるなどして、気まずい沈黙が続くのを避けます。

会話が継続できれば、だんだん記憶は上書きされていきます。終わりよければ全てよし! 締めくくりで和やかな雰囲気になっていれば、オーケーなのです。

会話を継続させるコツは「いい聞き手になること」。自分の側で必死に話そうとするのでなく、話を盛り上げる聞き手になることです。

聞き役に回るとき、気をつけたいのが「1.2倍のリアクション」です。

・うなずく
・目を見張る
・笑う
・身を乗り出す

などの反応を普段の1.2倍にすることを心がけます。表情豊かに、声色を明るく。

そもそも、相手には80%ぐらいしかこちらの反応が伝わらないものです。1.2×0.8=0.96。自分ではちょっとオーバーかな、と思うぐらいにして、やっとちょうどよく伝わるものなのです。

なお、聞き手というと受け身のイメージを持っている人も多いと思いますが、実は会話の主導権は聞き手にあります。

聞き手がつまらそうにしていれば、話し手は勢いを削がれていきます。聞き手が前向きに聞いていれば、話し手は気分が良くなり、本来する予定ではなかった「いい話」まで付け加えることもあります。

そこで聞き手としてマスターしたいのが「訊くチカラ」。表情やあいづちに留まらず、質問する力です。

質問には大きく2種類あります。クローズドクエスチョンとオープンクエスチョンです。

クローズドクエスチョンは答えが限られる質問です。「YES」「NO」で答える、あるいは「その服はどこで買ったの?」「兄弟何人?」のように、単純に事実を答えればいいものです。ぱっと答えを出せる質問です。5W1Hでいうと、「WHEN」「WHERE」「WHO」「WHAT」を中心とした部分です。

オープンクエスチョンは、5W1Hでいうと、「WHY」や「HOW」を中心とした部分です。答えが単純に決まらず、無限に広がっているものです。
「WHAT」でも、「人生の目的は何ですか」のように、価値観を問うような質問はオープンクエスチョンに当たります。話を掘り下げる質問ですが、深い質問なので、考え込んでしまいがちです。

会話をとりあえず続けたいときには、クローズドクエスチョンを中心にします。

「昼ゴハンとかどこで食べるんですか?」
「山田庵かな」
「山田庵では何がオススメですか?」
「あー、カツ丼がおいしいよ」
「いくらですか?」
「840円」
「割としょっちゅう行かれているんですか?」
「ああ。週2回くらいかな」

このように、テンポよく質問と応答を成り立たせることで、会話の勢いを作ります。いろいろと話を振っていく中で、反応が良かった話題について、会話を深めるためにオープンクエスチョンを導入します。

質問を意識的に使い分けることで、会話を盛り上げられる聞き手になりましょう。

吉田 裕子(よしだ ゆうこ)
国語講師。都内の大学受験塾で教え、東京大学などの難関大学の合格者を多数輩出する。日本語や古典文学の見識を活かして企業研修も担当するほか、朝日カルチャーセンター・NHK学園などで大人向けの教養講座を担当している。NHK Eテレ「テストの花道 ニューベンゼミ」など、テレビやラジオ、雑誌などのメディアでも国語の専門家として活躍する。『たった一言で印象が変わる大人の日本語100』(ちくま新書)、『すぐ書ける文章術』(ダイヤモンド社)など著書は30冊以上。『正しい日本語の使い方』(枻出版社)や『大人の語彙力が使える順できちんと身につく本』(かんき出版)は10万部突破のベストセラーになっている。東京大学教養学部・慶應義塾大学文学部卒業。放送大学大学院修了。

知的雑談術 吉田裕子 著


東大出身のカリスマ予備校講師が、雑談の基本的なポイントから、知性や教養があふれ出す言葉の使い方まで、人見知りや口ベタな人でも「また、話したい」「あの人、面白いよね」と思ってもらえる、スマートに楽しく談笑する実践的な手法を軽快に解説します。

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(この記事は日本実業出版社からの転載です)

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