はじめに

夫婦のお小遣い、やりくり次第でインセンティブも

もし、奥さんが自分に使うお金が原因で赤字になっているとわかっても、そこを責めてもよいことはありません。チャンスに変えるために、奥さんにもお小遣いを渡すようにしてみましょう。ただ、毎月いくらと決めて定額を渡すだけでは、奥さんが家計に関心を持つという目標を達成できないので、「節約して浮いたお金を夫婦で折半してもらう」という形にしてみてはいかがでしょう。

お小遣いをもらっていなかった奥さんの多くは、自由に使えるお金ができたと、お小遣いをもらうととてもうれしいそうです。そして、それがやりくり次第で増えるとしたら、しばらくの間は楽しく節約できるのではないでしょうか。

長期間続ければ、いくらくらいを奥さんがもらうのが妥当かが見えてくるでしょうし、逆に奥さんも自分がもらっても家計が困らない金額を自覚してくるはずです。そうなってから、定額制に切り換えてもよいと思います。

まずは奥さんが家計に興味を持ち、なおかつ支出も抑えられるという2つのメリットを狙って取り組んでみてはいかがでしょう。

「教育費は削れない」思い込みに要注意

家計管理を二人で共有していくということは、相談者さんのご家庭では少し時間がかかるかもしれませんが、ぜひ実現してほしいと思います。

家計に興味が持てると、今後の資金面での計画も立てられるでしょうし、お子さんが大きくなってきたのですから、奥さんも短時間働いて収入を得ようと思えるかもしれません。そうすると、奥さんも収入を得る喜びを感じるかもしれませんね。働いてほしいわけではないのでしょうが、社会の様子に触れることも、お金に興味を持ち続けるために必要だと思います。

2人で家計を考えられるようになると、相談者さんがこだわっている教育費についても、奥さんからいろいろ意見が出るのではないかと思います。お子さんの負担の度合いや、習い事であれば楽しんでいるか、上達したいと思えているかなどをよく考えることで、必要なものを選別できるかもしれません。そうすると、教育費も「必要なところに、必要な分だけかける」という使い方ができ、支出削減につながるかもしれませんよ。今は区や地域で開催している塾、習い事もあるので、お住まいの地域にあれば、それを活用することもひとつの手段です。

1人の思い込みではなく、みんなで相談して、お金を使って暮らせるとよいと思いますよ。まずは奥さんを巻き込むことをがんばってみてください。

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