はじめに

気づかないだけで意外と多い「無駄な支出」

大切にしたいのは、ボードゲームの会への参加。離婚で転校したあと、お子さんは一時期、休みがちになっており、このまま引きこもりになってしまうのではないかと心配していました。しかし、ボードゲームの会を通して、同じ趣味の人と交流する場があることの安心感からか、自然と学校を休まないようになりました。

食費も大切にしたい部分ですし、子供を連れて友人たちと外食をすることも多いので、ここでかかる交際費も比較的大切なものだそうです。洋服は「ただ、ほしい」だけで買ってしまうことが多かったのですが、同じような洋服や子供の成長によって不要になったものなどはフリマに出したり、いったん整理することにしました。足りない化粧品や日用品の補充は必要なときに購入するなど、ちょっとした心がけをするだけで、支出を減らせていけそうだと話していました。

このように、支出の内容について細かく考えていくと、意外と無駄な支出があったことに気が付いたそうです。そのため、日用品は在庫を確認したうえで買い物をする、洋服や化粧品は必要になったものだけ購入し比較的金額の高いコートなどの衣類は、ボーナスで別予算を作って購入する、友人との外食は月に3回まで等ルールを作ることにしました。取り組み始めると、次第にクレジットカードに頼らなくても生活ができるようになってきました。

養育費が滞っても赤字にならない家計に

家計収支表2

毎月負担になっているクレジットカードの返済は、利用残額があまり多くないため貯蓄からの一括返済も考えましたが、生活防衛資金がなくなってしまうため、2社利用しているうちの1社分を先に返してしまい、残る1社はしばらくコツコツ返していくことにしました。貯蓄の様子を見て、可能であればこれも一括で返済したいと思っています。また生命保険に入っていなかったため、お子さんのためも考えて医療保険と死亡保障を契約しました。保険料の支出は増えてしまいましたが、総額3万9000円もの支出の削減ができました。

毎月3万4000円の黒字です。今まで何に使ったかわからないままなくなっていたボーナスも、計画的に使うことで半分は残り、貯蓄できるようになりました。確実に貯蓄は増えていく見込みで、もし、元ご主人からの養育費の支払いが滞ったとしても、赤字にはならないやりくりが見えてきました。

少しづつ貯蓄を増やせるようになったと実感したFさんは、削減できる部分はさらに削減し、より貯蓄を増やしていきたいと意欲を見せています。

家計は、今の生活を漠然と振り返っても、もう節約のしどころがないように感じてしまいますが、支出の一つ一つについて必要かそうでないかを吟味してみると、意外と惰性で支払っているものがあったり、不要だと思えるものを見つけることができるものです。振り返りをしないで不足する分をクレジットカードで補ってしまおうとすると、悪循環に陥ってしまいます。万が一そういった状況になっても、早めに修正できるよう、「今」のお金の使い方をきちんと把握することをおすすめします。

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