はじめに

予測しなくてもリターンを得られる「分散投資」

相場はだれにも当てられないとすると、サラリーマン投資家はどう行動すべきなのでしょうか。ひとつ言えるのは、最初から当てようとは思わないことです。相場を当てるのはなく、投資から得られるリターンがプラスになる確率を高めることに集中しましょう。

それを実現させる方法は、「資産の分散を図る」ことです。たとえば、投資する対象としては日本株や日本国債、先進国株、先進国国債、新興国株、新興国国債、先進国リートなど、数多くの資産クラスがあります。これらの値動きはそれぞれ異なるので、どれが一番上がるかを予想して買うようなことをしていると、当たれば大儲けできてもいつか外して資金を失う可能性もあります。

これらの資産クラスの中には急上昇しているものもあれば、横ばいのものもあるので、全部均等に買ってしまえば値動きはゆるやかになり安定します。上がる資産を予想して買いたいという方は、メインの資金を分散投資したうえで、上がると思うものを上乗せして投資するのがいいでしょう。

さまざまな資産に分散して投資するのはリターンを安定させるために有効な手段ですが、単純に均等でいいのかというと、その配分比率は変えたほうがいいでしょう。最も適切な組み合わせや配分比率は、投資する人のリスク許容度によって異なります。リスク許容度とは自分の資産が増えたり減ったりする値動きの幅にどれぐらい耐えられるかという尺度のことで、自分で計算できるものではありません。

ロボット・アドバイザーを活用しよう

そこで私が提案したいのは、ロボアドの活用です。ロボアドとはロボット・アドバイザーの略称で、3個から10個程度の質問に答えるだけでその人のリスク許容度を測定し、それに適した資産配分を提示してくれるウェブ上の投資アドバイス・ツールのことです。複数の資産クラスを均等に持つよりも自分に適した組み合わせを教えてくれるのです。アメリカではすでに多くの会社がこうしたサービスを提供していますが、日本でも昨年ぐらいから多くの会社が参入してきました。

当社でも「ポートスター」というロボアドバイザーサービスを提供しています。北極星を意味する「ポーラスター」はかつて旅人の道標になっていました。当社のサービスも資産運用や資産配分(ポートフォリオ)の道標になりたいという願いを込めて決定しました。

ポートスターで皆さんに答えていただく質問は5つ。即答できる簡単なものもあれば、ちょっと考えていただいてから答えていただくものがありますが、難しい質問ではありません。サービスの中立性を確保するため、ロジックにはアメリカでのロボアドの実績が豊富なイボットソン社のノウハウを活用しています。

これらの質問に答えると、その人のリスク許容度と、それに応じた資産配分が表示されます。リスク許容度は5段階あって、ちょうど真ん中のリスク許容度の方の資産配分は国内債券が一番多く、次は国内株式になります。

ロボアドで自分に最適な資産配分はわかったけれど、あとは自分で実行してくださいと言われても困りますよね。もちろんできる方はそれでいいのですが、ポートスターではロボアドバイザーが診断したリスク許容度に合う最適な資産配分を実現したバランスファンドを紹介しています。それが「eMAXIS最適化バランス」で、提示された1本のファンドだけでロボアドバイザーが診断したぴったりの資産配分を実現できます。リスク許容度の診断からそれに適する資産配分、そして1本でそれを実現するファンドを一気通貫でご紹介しているのがポートスターの魅力です。

結論としては、サラリーマンの資産形成に大きなお金はいらないし、勉強や予測もしなくて結構。ただ、ひとつとても重要なことは、資産形成を成功させたいなら多少のリスクを取っていく勇気は必要だということです。「虎穴にいらずんば虎子を得ず」ということわざにもあるように、危険を冒さなければ大きな成功は得られない、投資でもこれはあてはまります。

あまり大きなリスクを取って損失を出し、やめてしまっては元も子もありませんが、サラリーマンの強みである積立投資を利用すればリスクは抑えられます。毎月1万円だとか、3万円程度ならリスクを取ってチャレンジしてみようかな、と思われるのであれば、投資する金融商品を選ぶ際に以下の点を検討しましょう。

1. 実績はあるか

大切なお金を託すのですから、それだけの実績を持つ金融商品かどうかという点は重要です。ポートスターで診断された資産配分を実現する「eMAXIS最適化バランス」シリーズは、31本の低コストインデックスファンドで構成されるeMAXISシリーズの商品です。シリーズ全体の総資産は2407億円に達しており、全国61の金融機関で購入が可能です。

2. 信頼できるか

残念ながら投資には詐欺まがいのものもあるので、信頼できる金融商品かどうか、提供している会社が信頼できる会社かどうかということも重視してください。

3. コストがどれぐらいかかるか

投資のコストは運用成績に直結するので、かなり重要です。投資信託であれば年間で0.数%から1%程度の信託報酬が運用資産から差し引かれます。この信託報酬は当社のような運用会社が受け取るフィーですが、投資家にとっては安いほうが有利なのでそのコストも考慮して選びましょう。eMAXISシリーズは購入時手数料が0、信託報酬も一般的なファンドに比べると非常に低く抑えています。

ちなみに、当社では2月末にeMAXIS Slim(イーマクシス スリム)という、将来にわたって業界最低水準のコストを目指す新しいファンドを発売しています。こちらは数社の証券会社とのコラボでのご提供しています。自分で組み合わせて資産配分する必要がありますが、コストにこだわる方にはおすすめです。

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