はじめに

多くの地域が梅雨入りし、しばらくはジメジメとした鬱陶しい天気が続きそうです。この時期は、作り置きの料理を腐らしてしまったり、食中毒を発生させてしまったりすることが多い季節です。

東京栄養食糧専門学校講師で出張料理家でもある沢辺利男さんに、作り置きのコツを聞きました。


作り置き料理の3原則

暑い夏は誰でも食中毒に気をつけます。冬場は室温が低いために、料理はなかなか腐りません。一番危険なのが、気温と湿気が上がり、菌が繁殖しやすくなる梅雨時期です。

暑い季節の感覚を忘れ、「これくらい平気」という気の緩みが食中毒を起こしやすくする、と沢辺さん。一般家庭を訪れ、作り置き料理を作る出張調理でもある沢辺さんは、「家庭でも、つけない、増やさない、殺す、という3つの対策を徹底してください」と話します。


出張作り置きサービス「シェアダイン」の料理人も務める沢辺さん

「つけない」とは、食品に有害物質をつけないこと。肉や魚をスーパーで買ったパックのまま数日間保存すると、赤いドリップが溜まります。これが食品を腐らせる原因になります。

沢辺さんは「パックから出してキッチンペーパーで拭いて、保存してください。塩をすると、なお良い。味付けにもなるし、防腐効果があります」と話します。

魚で注意したいヒスタミン中毒

「増やさない」は、菌を増やさないこと。まずは、気温の高い日はあちこち寄らず、買い物をしたら早めに帰宅すること。さらに、食材は台所に放置せず、すぐに冷蔵庫に入れることが大切です。

沢辺さんによると、食品の適切な保存期間は、肉で約2日間、魚は翌日まで。肉は塊肉のほうが腐りにくく、ひき肉やスライス肉は器具や空気に接触する面積が多いために汚染されやすく、できれば1日で食べてもらいたいと言います。

魚の場合、内蔵が入っていると傷みが早まるので、注意が必要です。プロの料理人は魚を保存する時に、内蔵とエラを取って頭は落とさないそう。

魚で特に注意したいのが、ヒスタミン中毒。ヒスタミンはサバやカジキなど魚の内蔵やエラに入っており、温かいところに置いておくことで繁殖します。一度繁殖すると、熱を加えても死なず、激しい吐き気や下痢を起こします。

また、作り置き料理を冷蔵庫入れて食卓に出すということを繰り返すのも、良くありません。1回の時間は短くとも、菌の繁殖が積み重なることで、食中毒のリスクは高まるからです。料理は食べる分だけを皿に出し、食べきることが大切だそうです。

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