はじめに

アイスが売れるのはどういう年?

実は、アイス代が増えると株価が上がるというのには、もう1つ重要な理由があると考えています。

近所のスーパーやコンビニに行くと、この時期、たくさんのアイスが並んでいます。この中には、カップ入りのものなど、1つが400円近くするものもあります。意外に値段が高いのです。

アイスは代表的な嗜好品です。消費者の懐に余裕がある時はどうでしょう。「今日はちょっとぜいたくに」と、値段が張るアイスを買うこともあるかもしれません。逆に、余裕がないと、アイスでなく、水で十分と考えてしまうかもしれません。

となると、高いアイス代がかかる時は、人々の所得に余裕がある時ともいえるでしょう。

たとえば、アイス代がとても多くかかった年が2年あったとします。片方は気温が低い年、もう片方は気温が高い年だとしたら、どうでしょう。気温が低い年でもアイスが売れてるなら、それだけ所得に余裕があり、景気や株価も高くなる考えられます。

アイス支出額が示唆するもの

つまり、夏が暑いか寒いかに関わらず、アイスが売れているということは基本的に景気が良いことを意味しており、株価も高くなるのです。

この傾向を確認するため、さきほどのグラフに工夫してみました。アイス代を、その月の東京の平均気温で割ってみています。

図2

こちらの「アイス÷気温」のグラフのほうが、株価の騰落との関係が強いようです。気温の要因を調整しても「アイスへの支出が多いと株価が高い関係」が見られるということは、アイスが人々の所得面での余裕を表しているからでしょう。

さて、今年の7月はどうでしょうか。皆さんの周りでアイスを食べる人が例年より多いなら、今後の株価に期待できるかもしれません。

この記事の感想を教えてください。