はじめに
東海、関西でも私立がトップ
東海エリアでは、名城大が3年連続1位。2位は国立の名古屋大、3位は静岡大でした。上位20位以内には三重大や名古屋工業大など国公立大が9校入り、関東とは変わって、国公立志向が高いことが分かります。
男女別では、男子は名城大が3年連続1位、女子は調査開始以来、初めて愛知淑徳大がトップに。同大は元女子大で、新学科や専攻を相次いで設置していることが人気を呼んだようです。文理別では、文系で愛知大と南山大が同率1位、理系では赤崎勇教授がノーベル賞を受賞した名城大が1位となりました。
このほか、昨年に藤田保健衛生大から改称した医療系の藤田医科大が32位から16位と順位を伸ばしました。
関西エリアでは、12年連続で関西大が1位。「関関同立」と呼ばれる難関私立大学の一翼で、幅広い学部を持つ総合大学です。2位は“近大マグロ”などユニークな広報戦略で知られる近畿大、3位は公立の大阪市立大でした。男女別でもそれぞれ関西大が1位。文理別では、文系で関西大、理系で国立の大阪大がトップとなりました。
関西でも、摂南大学が21位から14位、京都橘大が24位から18位と、中堅大学が順位を伸ばしたのが目立ちました。関東と同じく、定員の厳格化による玉突き現象の影響と考えられます。
「教育方針が魅力的」「おしゃれ」な大学は
調査では、高校生が抱くイメージ別のランキングも公表しています。「教育方針・カリキュラムが魅力的である」というイメージがあるのは、関東、東海ともに東京大が1位、関西では京都大が1位でした。全体的に高偏差値の大学がランクインする傾向がありました。
「校風や雰囲気が良い」という項目では、関東の1位が青学、東海では慶応大、関西では近畿大となりました。広報戦略や積極的なオープンキャンパスなどで、ポジティブなイメージを作り出すことに成功していると考えられます。「おしゃれな大学」では、関東、関西で青学、東海で慶応がトップに。私大が上位に入る傾向がありました。
高校3年の4月に行われるこの調査は、学力や立地を考慮した現実的な志望校というよりは、高校生が純粋に憧れる大学という意味合いが強いのが特徴です。大学が発信するイメージが高校生にはどう認識されているのかを知ることができます。
小林所長は「分野別では、技術革新や少子高齢化を背景に、情報、観光・コミュニケーション、医療・保健・衛生分野などの希望者が増加した。大学のブランドではなく、卒業後のキャリアを見据え、何ができるかを考えた選択が顕著になっている」と話していました。