老後

50代で転職、「70歳まで働ける」は老後の強みになる?

FPの家計相談シリーズ

「仕事を長く続けられる」のは強み

転職され、70歳ぐらいまで今の収入を継続できるという見込みを、この段階から作っておけたことは、相談者さまの強みです。暮らしの保障と、貯金を増やせる可能性の期間を大幅に伸ばすことができたということですから。

年金受給を開始する年齢になると、収入の状況によっては年金がカットされる「在職老齢年金」の支給停止基準額にひっかかる可能性がありますが、その基準額を今、国の方でもっとあげるのか、廃止にするのかなどの検討をしているようですので、相談者様が年金受給者となる約10年後は心配ないかもしれませんね。ですが、現状ではそういった心配もあることを頭に入れておきましょう。

もし、支出を下げることができ、予定通り今の収入を維持していけたらどういう将来になるか考えてみましょう。例えば支出を削減して、毎月8万円ほどを貯金できるとしたら、70歳になるまでの約15年間で貯められる金額は、1440万円です。かなり大きな金額を作ることができますよね。

こう考えると、収入が変わらない状況を作り、長く貯金を増やしていける可能性を作り出せたことは、素晴らしいことです! あとは貯めることを実現していくだけです。

貯金にまわせるお金が増えてきたら、投資の検討も

お金を増やしていきたいと考えると、ただ貯めるよりも、育てていくことを考えていきたいものです。手持ちのお金のすべてではなく、一部を投資にまわして積み立てていくと、20年後、30年後には複利の効果で大きく育てることが可能です。

個別株だけにするとリスクが高くなりますので、複数の会社が1つの商品に入っている比較的リスクが少ないインデックス型の投資信託で始めると良いと思います。国も投資信託の積立を勧めていて、「運用益」という儲けにあたる部分を非課税にしようという制度を作り出しています。「iDeCo(個人型確定拠出年金)」や「つみたてNISA」といいますが、聞いたことがあるのではないでしょうか。

iDeCoで積立ができるのは、今のところ60歳までです。60歳から70歳までの間に積み立てたお金の受け取りを開始することができます。掛け金の全額が所得控除となるので、所得税、住民税を安くでき、受け取りの時も税控除が使えます。54歳の今始めると、受け取りを開始できる年齢が63歳からとなってしまいますが、それでも税控除を狙いたいのなら始めても良いと思います。

つみたてNISAは、年齢の制限はなく、掛け金も所得控除の対象にはなりませんが、運用益が非課税となるお得な制度です。なにより、金融庁がリスクが少ない商品を厳選して、つみたてNISA用の商品として設定していますので、安心して始められることもポイントです。

もし、毎月8万円余剰金を捻出できるとして、すべてを貯金しますと1440万円。それだけでも大きな金額となりますが、余剰金のうち2万円は貯金、残り6万円を投資にまわし3%で運用できたと仮定すると、15年で1721万円(貯金360万円、投資1361万円)になります。投資をするということは、このような恩恵を受けられるということです。

安心できる老後のためには、まず検討をして、そして行動に移していただきたいと思います。

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのFPが答える「みんなの家計相談」の過去の記事一覧はこちらから。

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