はじめに

地域差のあるキャッシュレス

キャッシュレス決済の利用は地域差もあります。支払い金額によらず、大都市ほどクレジットカードや電子マネーの利用が多くなっています。

また、地域別には、特に関東地方の利用が目立ちます(図表5)。一方で、現金の利用は東北や中国、四国、九州地方で多くなっています。これは、高齢化が進んでいる居住者の年齢の影響もありますが、細かく分析すると、実は年齢だけでは説明できない傾向も見えます。

図表5

例えば、中国地方は、この調査では関東地方に次いで50歳以下の割合が高いのですが、クレジットカードの利用は支払い金額によらず、全国平均を下回ります。なお、クレジットカードの保有率は、全国平均(84.0%)を若干下回りますが8割を超えていますので(中国・四国地方で82.0%)3、決して低いわけではありません。

一方で、中国地方では図表5にも示す通り、電子マネーの利用率は比較的高くなっています。地域による普及状況の違いには、消費者側の要因だけでなく、その地域の交通機関や店舗側のキャッシュレス対応状況の違いも影響しているのでしょう。

例えば、地方の商店街ではクレジットカードが使えない店舗も少なくありません。また、地方では県庁所在地であっても、地域独自の電子マネーにしか対応していない交通機関もあります。一方で、地方の観光地では、訪日客向けにQRコード決済の導入が進んでいる地域も見られます。

このほか、近畿地方では他の地域ほど高齢化が進んでいないにも関わらず、電子マネーの利用率は、支払い金額によらず全国平均を下回るといった特徴もあります。商人の街大阪では現金主義の価値観が根強いのかもしれません。

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