はじめに

パソコンが1台あれば起業できる昨今。ママ起業だけでなく、副業による起業も注目されています。

そんななか、自分の想定以上に売上が上がってしまい、確定申告で驚くような税金を支払うことになった方もいらっしゃるのではないでしょうか。学校では教えてくれなかった税金の話、今からでも遅くはありませんので、ぜひみなさんに知っていただき、有効活用していただければと思います。


給与天引きの源泉徴収税額とは

お給料の明細、毎月見ていますか? 支給額と振込み額だけチェックしておしまい、という方も多いですよね。今回は「控除額」のなかの「所得税」を中心に見ていきましょう。

控除欄のなかには、健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料のほかに、所得税、住民税があります。

このうち所得税以外は毎月の給与で天引きされる金額が確定した金額となりますが、所得税だけは違います。毎年、年末に行われる「年末調整」、もしくは翌年3月15日が期限となる「確定申告」で精算が行われるのです。

つまり、毎月払っている所得税は税金の前払いとなります。

この「源泉徴収制度」はかなりの優れものです。年末調整の際に、結婚などで扶養親族が増えたり、生命保険料控除、住宅借入金等特別控除を受けたりしなければ、所得税の精算額はほとんど発生しません。それくらい細かく段階的に所得税の源泉徴収税額は決められており、納税者の負担が少なくなるようになっているのです。

副業でも源泉徴収される?

源泉徴収の仕組みは、給与だけに限ったものではありません。多くの人に関係するものでは、銀行預金の利息があります。預金利息には現在、15.315%の所得税と5%の住民税がかかっていますが、こちらはすべて源泉徴収で税金の計算、納税までが完結しています。

副業している人、フリーランスで働く人にも、源泉徴収が密接に関わってくることがあります。

例えば、デザイナーやライター、講師業などをしている人は、報酬額から10.21%の源泉徴収をされていることが多いです。法人から発注を受けて5万円のデザインを行った場合、納品後に受け取る金額は「5万円×10.21%=5,105円」の源泉徴収税額を差し引いた後の44,895円となるのです。

こう聞くと、なんだか損をした気持ちになってしまう人もいるかもしれません。ただ、この税額は確定申告で精算されます。給与収入のある方は、副業の利益が20万円以下であれば確定申告は不要となっていますが、確定申告することでこの源泉徴収税額が戻ってくることもあるのです。

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