はじめに

読者のみなさんからいただいた家計や保険、ローンなど、お金の悩みにプロのファイナンシャルプランナー(FP)が答えるFPの相談シリーズ。今回はプロのFPとして活躍する深野康彦氏がお答えします。

子供が生まれるのに合わせて保険を見直したいと思っています。これまではなんとなく都民共済の一番安いプランに入っていました。総合保障と特約をつけて月額3,000円ぐらいです。しかも還付金があるので、実質はもっと安いです。今まではそれでいいと思っていたのですが、ネット生保のCMなどを見て、生命保険会社の保険も安くなってきているので、一度ちゃんと考えるべきだと思いました。

そこで、「生命保険会社の保険と共済の違いってなんだろう?」と、調べてみてもピンときません。それぞれのメリットはなんでしょうか? また、家族でいくらほどの保険に入るのが妥当でしょうか?
(30代前半 既婚 男性)


深野: お子さんが生まれるのですね。少し早いですが、おめでとうございます。

ご質問から察すると、お子さんが生まれることから保険、つまり、保障の見直しを考えているようですね。

生命保険と共済の違い

現在は、都民共済に加入されているようですが、保険会社の保険(以下、生命保険)と共済の違いからお話しましょう。

どちらも保険事故があった場合に保険給付金が支払われる点は変わりませんが、保障という視点に立てば生命保険は高額な保障を得ることができる一方、共済の保障は生命保険と比較して小額に留まります。

また、生命保険は長期契約を行うことができますが、加入されている都民共済では1年契約の更新というように、共済は少額保障短期契約と考えればよいでしょう。

このため、共済は少額の保障が必要な時期、あるいは生命保険の保障が不足しているとき、プラスアルファで加入するような使い方をされることが多いようです。

ご質問者の方の場合、来年にお子さんが生まれるということから都民共済の保障だけでは、万一のことが起こった場合に保障が不足するかもしれませんね。

これからのことを考えて保障を決める

ただ、奥様が働いているのか否か、あるいは金融資産をどのくらい保有しているのか、ご本人が加入している年金の種類、保険に対する考え方などがご質問には記載されていませんので、残念ながら、どのくらいの保障が必要かと述べることは難しいと言わざるをえません。

逆に言えば、本当に必要な保障はこれらのことを勘案して決めることになるのです。

正確な保障額はほかに譲るとして、基本的な考え方として奥様が正社員で働いていれば、お子さんが1人のうちは高額な保障は必要ないでしょう。保有している資産額によっては、今の都民共済で過不足ないかもしれません。

お子さんが生まれたら、奥様が仕事を辞めて専業主婦(パートを含む)になられる場合は、数千万円位の保障が必要になるというのが一般的です。

数千万円の保障が必要といっても、親の役目は子供が社会に出るまで育てることです。子供の成長と共に必要保障額は減少していきますので、数千万円などという高額な保障が必要な時期は、それほど長期間ではないと考えておかれるとよいでしょう。

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