はじめに
現在、日本では政府主導でキャッシュレス決済への移行が進められています。関連企業もさまざまな特典を付与して、シェア争いを繰り広げています。日本はこれから本格化を目指すという段階ですが、中国をはじめ、アジアの国々では現時点で日本より一歩も二歩も先を進んでいます。
キャッシュレスと併せて推進されているのが、スマートシティの開発計画です。これはAI(人工知能)などを活用したハイテク都市を作り上げようとする政策で、関連プレイヤーが次々に参入してきています。そして、そこには新たなビジネスチャンスや投資の好機が潜んでいる可能性もあります。
人口一極集中の打開策
アジアでスマートシティ計画が推進されている理由として、主要都市の人口過密化が挙げられます。大都市のひとつの目安を人口100万人とすると、世界には500強の100万人都市がありますが、そのうち、アジアだけで300都市弱と半分以上を占めており、世界で最も多くの100万人都市が存在している地域となっています。
各国とも、都市部の過密化、人口の一極集中によって、さまざまな問題点が顕在化しており、問題解決が急務になってきました。その中で、アジア各国では各種の取り組みが進められています。
マレーシアでは、政府が「2020年までの高所得国入り」を長期計画に掲げ、産業高度化と都市開発を進めています。
その中で、マレーシア通信マルチメディア委員会は、同国における「5G」を2022年までに導入する計画を打ち出してきました。道路インフラなど物理的なインフラは他のアジア新興国に比べて整っているため、通信やソフト面の整備によってスマートシティ化を進めていくことになりそうです。