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アジアで進む「スマートシティ計画」、日本にビジネスチャンスはあるか

「キャッシュレス」と並ぶ投資テーマ

タイでは閉塞感脱却の起爆剤に

タイでも「タイランド4.0」と名付けた産業高度化計画を推し進めており、その中でスマートシティ委員会も設けられています。現在、バンコク、プーケットなど3都市をスマートシティのモデル都市に指定していますが、最終的には2022年までに100のスマートシティを整備しようとしています。

同時に、東部経済回廊(EEC)地域に投資を行った場合には、法人税の免税、免税期間終了後にさらに5年間、法人税が50%減じられるなどといった特典も与えられています。近年は、経済成長率が減速ぎみですが、閉塞感脱却のきっかけとなるか、政策の行方が注目されます。

インドネシアでも、以前から、都市部、特にジャカルタの過密化が常態化しており、物流、企業活動などの点で都市機能が大きく損なわれていました。この状況から脱却すべく、同国では、情報産業省、財務省、国家開発計画庁など7つの省庁が連携し、「100スマートシティ」計画が進められています。

現時点でインドネシアには「スマートシティ」の厳格な定義がありませんが、地方では所得格差を解決する手段として位置付けられています。加えて、直近はカリマンタン地域への首都機能移転計画が本決まりとなりました。スマートシティ計画と併せて、ジャカルタの過密改善、新たな都市の出現が期待できそうです。

日欧の企業も参入方針

そのほか、ベトナムでも、政府主導でスマートシティ開発計画が進められています。2018年8月には「2020年までに必要な法制度を整備し、2025年までに試験運用を開始、2030年までにはスマートシティ間の連携も目指す」という長期計画が発表されました。

地場大手企業に加えて、日本や欧州のハイテク、建設企業など、多くの関連企業が参入方針を明確に示しています。ベトナムへの産業移転の動きと併せて、今後のベトナムの発展に寄与すると期待されます。

ASEAN各国がスマートシティ計画を進めている中、シンガポールが提案した「ASEANスマートシティ・ネットワーク&ハイレベル会合」が10月8~9日に横浜で開催されることとなりました。

100万人都市

この会合は、(1)スマートシティ開発についての実証都市同士の協力の促進、(2)民間と協力しての有望なプロジェクト開発、(3)域外のパートナーからの資金調達等協力の促進、といった点を主目標としています。今回の会合は、今後ASEAN各国でスマートシティ計画が進展するきっかけとなり得ると思います。

<文:市場情報部 アジア情報課長 明松真一郎>

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